このタイトルを見て「まぁそーなるよね」と思ったので読んでみたのですが…コレといって驚くようなことは書かれておらず、小売業界がぶっ壊れても無くならないし、見せ方、触れ方が変わるだけとはいうものの…「メディアになる」というタイトルは随分前から言われ続けてきたことですが、事実そうなると思います。というか、すでにあちこちで実例が出始めてますよね。
中身はアメリカ例が多いのですが、そのアメリカも表層的な景気は良いですが実態は火の車。そのことは日本でも毎日確実に実感できる時代ですが56ページからその企業名が羅列されております。
メジャーなキーワードだとアバクロ、アメリカンイーグル、バーンズ&ノーブル、ギャップ、HMV、JCペニー、マッキントッシュ、メーシーズ、オフィスデポ、ラジオシャック、シアーズなんて全盛期を知っている人にとっては感慨深いですよね。壊滅です。
もちろんこんな本を読まなくてもそこらじゅうに情報は転がっております。
「キムタクが番組で着たアバクロ」なんてやっていたのはつい最近のことのように思いますが、実のところピークは15年前頃のお話し。アマゾンエフェクトが全てとは言いませんがその破壊力は凄まじいですよね。根こそぎです。もちろんウォルマートの凋落も如実です。
たぶん今から15年ぐらい前にアメリカを車で走っていると「Everyday Low Price 」のコンボイをしょっちゅう見ました。最近は関東近辺でOKストアが人気らしいですが戦略はウォルマートと似て非なる「高品質・Everyday Low Price 」らしいです。買い物したことが無いのですが…人口が減るスピードが遅い地方都市でもジワジワと店舗を広げることと思います。物事がデジタル化されると価格決定権が消費者に移ってしまう中で安定的な利益を維持するためには生活インフラを押さえないとダメですが…。
さりとてウォルマートが手をこまねいているかといえば、アマゾンに遅れをとったことに気づき全力で首位奪還に獅子奮迅の真っ最中。つい先日は「Art.com」を買収していました。
たぶん一般的な日本人感覚だと「絵の会社なんて買ってどーすんの?」とか思いますがこの会社は300億近い売上がある会社だそうで…最近のウォルマートさんはソフトバンクさんのような感じでIT企業をM&Aしまくっております。Art.comはザックリ言えば以前にメモしたsociety6みたいなことです。
読みながら物への価値観の変化を考えておりました。
昭和は参考になりませんが平成は参考になりますよね。
物欲を刺激してカタチとしてのモノを購入することはすっかり減りました。それに代わってデータや情報に費やすコストの高いこと。「電気・ガス・水道・ネット」になっちゃったわけです。それが常時接続になると固定費が増えるわけです。
最近は水道民営化なんて言ってますが…
これから日本は大きく変わりますよね。
賃貸マンションやアパートでも借り手が減るので敷金・礼金みたいな常識が日本全国0円になるまであと少しです。そういう常識を徹底して壊すのがこの先10年ぐらいかもしれません。10年かからないかな?
278ページから「常識を疑え」的なことが書かれておりましてね、面白く読み進めました。
どうしても「普通はこうだ・・・」みたいな発想になるのを意識して止めるのはなかなか大変でついつい流されちゃいます。その悪いパターンをぶっ壊すには、本当に自分がしたいことを見つける必要があると思います。その見つけたことをカタチにしようとすると常識が邪魔をするわけですが、そこで十二分に妄想し、したいことを100%優先させると常識は自ずと引っ込みます。そうやって他人とは違うものが形作られることを誰だって知っているのにいざ自分が考え始めると「普通は違う・・・」みたいなローテーションですよね。
この本でもAI、VR、自動化に触れてありますが…
そーゆーことでは無いと思います。
そういうことを「体験」というキーワードでワクワクする小売&購入体験と表現することは理解できますが、そのVR的体感とリアル体験が共存する時代に求められるものはなにか?そういうことを時々考えています。時代の先が予見できると…どこまでも先の、先っちょの、最先端の本質を見たくて妄想が止まりません。
ガタガタ言わずにやってみないとダメですね。
タイトルは小売再生ですが、実のところ最近の本はどれを取っても「AI、自動化、VR、3Dプリンター、ブロックチェーン」みたいなことになっちゃいますよね。劇的に変化してる最中で答えは無いタイミングなので自分でトライ&エラーですかね。
とにかくモノを売る発想は捨てなきゃダメですね。
並べないと売れない、見せないと売れない、触らせないと売れない、試食させないと売れない、値下げしないと売れない、オシャレに魅せても売れない…ネットでもそれらは不完全な体験しか提供できていないのに中間コストカットで利益確保でした。これからはその先ですね。小売参加者で世界動向の気づきが欲しい方はおすすめの一冊です。
ただね、デジタルは加飾と嘘だらけです。加工し放題。
全てはデジタル化による恩恵だったはずですが、2-30年後にはデジタル化の波に載せなかったモノ・コト・場所が生き残っているかもしれませんね。「ありのまま」というのが成功のキーワードへつながる気がします。ありの〜♪ままの〜♪
以前紹介したsociety6の記事、貼っときます。
今日は寒い!
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