新しい旅行業プラットフォーム「Arbor」がサービスイン

トークンエコノミー
© Arbor
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3月31日に Winding Tree からメールが届きました。

We are very excited to announce the first completely free marketplace for the travel industry that will enable a secure and direct connection between distributor and supplier all on a single platform.

ちょっとワクワクする会社からのメールですが地球は新型コロナウイルス一色で旅行関連株は大嵐の真っ最中。地球終了の様相です。

ジジイの古い知識で恐縮ですが世界規模の航空会社は1日に3,500〜4,000便のフライト数と記憶しておりますがその航空会社も軒並み運航停止。今のところ国際線は5月初旬まで運行停止の会社が続出しています。

感染者数がおおい場所は経済回復に時間がかかるので通常運行に戻るには半年以上かかるかもしれません。収束目処が立たなければ規模の縮小や倒産、破産、解散などが続出するかもしれません。

それら航空会社が利用する予約システム(GDS)も飛行機が飛んでる間は必要経費ですが飛ばなくなったら即コスト削減対象。

私も3月22日に「否も応もなくブロックチェーンが加速する」ことをメモしたばかりですが、Winding Tree もこのタイミングに急いで合わせた感じがします。人が動けない状態でビジネスを加速させるには、ここに注力しないと他にすることはないですよ。

トヨタ自動車がどんなに頑張って車を生産したところで「動くな」という時代には不要です。もちろん車だから感染を気にせず動けるという発想もありますが。

Arborという観光産業向けプラットフォームが動き出した

Winding Tree は2017年に「ICOするよ」と言ってから…..もう3年前の話しです。詳しいことは過去の駄文をご確認ください。

手数料ビジネスの旅行業界に一石を投じるWinding TreeのICO
9月に教えてもらって気づいたWinding TreeというICOのホワイトペーパーを眺めていました。中身は旅行業界向けで「たぶんこんなの読んでる業界人はシステム部門でも僅かだろうな」とか思いつつ。以前触れたFujintoがscamだったかもしれないこともあり、少し深く情報を追いかけて勉強しました。

いよいよ旅行業のエコシステムがリリースされました。

Arborは「木の枝やツタを這わせた木陰」のような意味でして、洋風な家や庭先に木や鉄素材でアーチのような形のものにツタやバラが巻きついているようなイメージでしょうね。Gazebo(あずまや)のような建築物に近いものではなく、自然形成される木陰といった感じだと思います。

そのArborプラットフォーム参加者募集が始まりました。

かつて旅行会社は「机と椅子と電話1本で始められる」と言われていましたがいつのまにか複雑になりすぎて利益が吹き飛ぶ構造になっています。今回のような新型コロナウイルスによる売上ゼロの時、経営者は究極の決断を迫られます。社会的影響が小さいと自滅で済みますが、買掛しまくっていると潰す決断も出来ず事態を悪化させる可能性があります。

もう自前システムを手放す最期の警報でしょうね。

Winding Tree
The Travel Marketplace. Evolved. Global Omnichannel Marketplace. No Fees. Ever.

スタートアップ時に参加すれば優位性を発揮できるかもしれない

器ができただけなのでまだ参加者は僅かですし、今は感染症による世界的危機で各社対応を手探りの状態ですが、現実は待ったなしで自社システムコストを全て見直さないと売上ゼロで毎日が出血多量状態。折しも在宅就労という時代。もし会社登記の住所もシェアオフィスで十分となれば極限までコストを削れるかもしれない大チャンスです。

こういうものは早く使って慣れたもの勝ち。

サイトによると7ステップで登録が完了すると書かれています。細かいことはココに書かれておりますのでお楽しみください

2020.07.10 追記 : 登録方法が少し変更されたようです。「Winding Tree Marketplace requires a connection to the Ropsten Test Network, but you are connected to the Ethereum Mainnet. Please change the Network in your Wallet.

全て端折って書けば「MetaMaskにLifトークンがあるエージェントはすぐに利用できる」ということです。

STEP 1
ざっくり書くと「ビジネスIDを取れ」と書かれていたので何かと思えばEthereum blockchainのアドレスでした。MetaMask(メタマスク)と紐付けたら即完了。メタマスクの詳しい解説は他の方に任せますが、簡単に言うと暗号通貨をやり取りする分散型台帳のDappsやWalletの役割があるものです。私はそっち系法人では無いですが、ちょっと紐づけてみました。

1秒で完了

旧来の行為に置き換えると法人銀行口座を作るニュアンスに似ています。窓口に行くことなくアカウントは紐付けされました。これで旅行予約から決済まで完結します。

ちょっと懐かしいメモを引っ張り出しますが、その昔(今もありますが)クリプトキティというブロックチェーン版カードゲームのようなもので遊ぶときにメタマスクが必要だったので登録していたものを引っ張り出して紐づけてみました。

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STEP 2
会社のプロフィールを登録。ホテル、OTA、航空会社、保険会社などの登録です。

STEP 3 (サイト証明)
サイト登録。登録方法には「claims and credentials」があるそうです。IT業界での意味を存じませんがclaimsは第三者が関わることなく認証する方法なんだそうです。たぶん私が今思い出せないだけで入力する時に「あぁ、このことがclaimsか」みたいな事かと思います。WEBサイトの所有権を確認することが Trusted party として機能するようです。

STEP 4 (法的証明)
第三者が確認できる事実証明(いわゆるEV証明書/Extended Validation certificate)確認。

STEP 5 (SNS証明)
ソーシャルアカウント登録確認。Twitter、Facebook、Instagram。

ステップごとに書くと大変そうですが見ての通り簡単に登録できます。

登録は1画面で終了

STEP 6 (Lifデポジット証明)
Lifトークンをデポジットすることで商品データ登録に進むことができるようです。

Depositing a certain amount of Líf shows other organizations on the platform that you couldn’t possibly create more than a few records, otherwise it would be too expensive.

ここでやっとリーフトークン取引に触れられています。いよいよトークンエコノミースタートです。私はICOに参加したのでリーフトークンを持っており、すぐに始められるのですが、旅行業界には無縁なので眺めて楽しんでるだけです。

STEP 7
デイレクトリ登録。電話帳のようなものですね。ルールに準拠した会社が載るそうです。今のところホテル、OTA、航空会社、保険会社ですがレンタカー会社や空港会社など続々と増える予定だそうです。

 

KYB(Know Your Business)を簡素化へ

やってることが完全にワンワールドで地球家族です。

先のメモ通りビジネスとしてのArbor参加者が「確かに信頼できる会社」の証明としてブロックチェーン上で4つの証明方法を採用しているわけですが、今後改善修正される可能性が高い部分というもののよく考えられてますよね。

世界的につながるエコシステムなので平和ボケしている日本人だと「JTBだし」とか「HISだから」ぐらいで旅行を申し込みますが世界ユーザーが安全に利用するためにはKnow Your Business (略してKYBチェック)がとても大事です。

例えば私がアフリカ旅行を計画すると日本の旅行会社ではなく現地旅行会社を探します。日本の旅行会社を経由させるだけで取られる手数料をゼロにするためです。ただし問題は現地旅行会社のKYBチェックが後回しということ。

私の場合だと、まず①旅行内容を考え、②自分が望むサービス提供している旅行会社を探し出し、③複数会社の商品やサービス内容を比較し、④最後に「そもそもこの会社大丈夫なん?」といった感じになるはずです。もしArborに参加していれば消費者として最も大事な「そもそもこの会社大丈夫なん?」という悩みは限りなく小さいものになります。

Arbor allows organizations all over the world to opt-in and verify themselves without involving a third-party intermediary.

 

今トークンエコノミーを理解していないと次のビジネス変化に気づけない

例えばネット動画ビジネスにはかつて「構成、撮影、編集」という参入障壁があり、それを本格的に取り組むとビデオカメラやパソコンが必要でした。この「ビデオカメラやパソコン」だけでもそれ以前の仕組みと比べれば劇的変化です。

それがいまやスマホだけで完結できますが、そうなった今頃「ユーチューバーで儲ける方法」を見ても時すでに遅し。それは特別なことではなく誰でも自分ひとりでできるマーケティング手段のひとつにすぎません。

それと同じようにトークンエコノミーに参加するにはメタマスクのようなウォレットで暗号通過やトークンをやりとりできる準備ぐらいは必要で、それを受け渡しする方法や意味を知っていないとチンプンカンプンです。

今頃カウンターパーティーで自分の仮想通貨(トークン)を作った - en1.link
カウンターパーティー(Counterparty)を触る少し前にEtherdelta(イーサデルタ)というマッチング交換機能を触っていたことがありました。簡単に言えば仮想通貨の売りたい人と買いたい人をマ...

「Arbor」に限らず皆さんの人生経験で鼻が効く業界のプロックチェーンを探ればトークンエコノミーの今を知ることができます。世界を眺めれば、おそらく全産業に先駆者がいるはずで、その分野を深く掘り下げて研究しておけばすべてに応用が効く内容。

先駆者がいなければビジネスチャンスです。

こんな暇な時こそ腰を据えて新しいことに取り組むことができ、没頭するほど社会は新しい価値の創造へシフトし、アフターコロナを乗りきる武器の一つになるかもしれません。

 

プロジェクト参加企業は本気モードの一流企業だらけ

一流企業でも無敵ではないですが…

エールフランス-KLM、ルフトハンザおよび子会社のユーロウイングス、スイス航空、ブリュッセル航空、オーストリア航空、ニュージーランド航空、エアカナダ、エディハド航空やスイスポート、ノルディックチョイスホテルズなどが参加を表明していました。

世界各地で航空会社が運航大幅削減、新型コロナで生き残りに必死
世界の航空会社が運航便を大幅に縮小する。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を乗り切ろうと資金繰りの維持に必死で、世界的な往来は寸断され、数十万人もの雇用が脅かされている。

今回のスタートに際しノルディックチョイスホテルズ、ドイツのハーンエア、エールフランス-KLMがサービスを始めるそうです。AF-KLMは新型コロナウイルスの影響を受けて「90%運航を減らす」らしいので先に参加表明している会社も続々と稼働準備に入るはずです。

実は今欧州では新型コロナウイルスの影響による航空券キャンセル料にどう対応するかが大問題になっております。もめている詳細には触れませんが、航空会社も大変化が求められておりまして「①従来方法固執、②臨時対応、③新しい方法へ変化」のどれかです。

間違いないことはお金が動くたびに発生するミドルマンコストが邪魔なんですね。モノを買うたびにつきまとう税金や銀行の振込み手数料のようなもの。

 

生き方を見直し、変化する思考にならないと巣籠もりストレスで身が持たない

ロックダウンしている都市から聞こえてくる断末魔のうめき声は常識に囚われるが故に「休業補償してくれ」というものですが、いつまでも感染症が収まらない中での常識はいずれ非常識に変わるだろうと思います。私もどうやって危機を乗り越えようか考え中。

例えば私がブロックチェーンの事を1ミリも知らなかったら今頃「営業自粛させるんだったら営業保証しろよ」と叫ぶだけなんですが、仕組みを数年かけて緩ぅ〜く勉強すると自分の行動を変えることが大切なことに気づきます。従来ルール思考を止めないと巣籠もりストレスで身が持たない。

旅行産業にとって今は史上最悪ですが、考え様によっては Winding Tree のような先駆者によって救われる、変化できる業界かもしれません。今ブロックチェーンを否定する、その波に乗らない、乗れない産業は淘汰リスト行きです。

「Arbor」を使うとあらゆるミドルマンコストが無くなり、追加料金も発生せず、ブロックチェーンで内容証明され、結果として人件費が削れます。もちろん削った人件費を利益にする会社もあればサービスへ再投資する会社もあると思います。

少し前のリリースにこんな一文を発見。

These include Glider, the world’s first open-source OTA (online travel agency,) that allows anyone to take its code and start their own OTA; Simard Pay, a B2B payments-settlement solution to facilitate transactions…

これによると「Glider」と呼ぶオープンソースOTAが準備してあり「Arbor」とセットで動かせると書かれています。そこには「Simard Pay」が装備されてるんだそうです。ごく簡単に意訳すると「ブロックチェーン上で使える旅行会社用の決済機能付きソフトの用意がある」ということでして、なんやよーわかりませんが凄そうです。もう乗っかって使うだけ。

今回の感染症騒動がいつ収まるのか分かりませんが暗く長い夜が明けた後、世界は激変して新しい概念のビジネスが生まれていそうです。

ホテルの予約支払いに暗号通貨も選べる時代
まだやってたNEM(ネム)のカタパルトならぬSYMBOLでXYM(ジム)が生まれるかもという記事を読みながらムムムと思ったことのメモです。
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