久しぶりに旅行業のICOチェック

ICO
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今年の春は寒いような暖かいような…それでも春となれば動物や昆虫同様にゴソゴソしたくなるから不思議です。久しぶりというわけでもないのですが、チラチラとメール配信されるICOを気にしつつ、他にすることも沢山あるので放置していたものをまとめて斜め読み。もちろん旅行系ばかりですが。

昨年ほどの狂喜乱舞な盛り上がりはないですがブロックチェーンに関しては確実に前進している感があり、仮想通貨チャートを見ても正常運転に戻っただけですし「誰がどんなICOやってるのかなぁ」程度ですがメモ書きです。

▶︎過去形のICO

本当に斜め読みですがUber的ICOも多かったみたいですね。ライドシェアやタクシーと紐づけている仕組みもチラホラ。もちろんP2P。乗り物系に関しては人口ボーナスがある国で始めた方が有利と感じますが、そういう国は限られているわけで、結果ICOサイトには「◯ヶ国でサービス可能」みたいな茶を濁す書き方になり「相変わらずプロダクトが見えない絵空事ICOやってたのか」という感想。

▶︎現在進行形のICO

『MEETNGREETME』

クラウドソーシングのスキルに旅行経験値(ガイド、通訳、送迎、手配)をアタッチさせてP2P展開を狙っているようで面白そうですがICOは大苦戦中な感じ。でもいずれこういうことになりますよね。旅行業法の定義からするといずれのサービスも日本での個人展開はアウトですが、いつまでもそういうことを言っては仕事が回らない時代になりますし…ちょっと面白そうでした。

Locations with MeetnGreetMe experts

▶︎未来のICO

『HOTENGINE』

ご想像通りホテルをブロックチェーンでつなぐらしいです。説明にはクレジットカード決済情報のリスク、高すぎる手数料、一部のメガ企業独占、返金時間がかかりすぎる…まぁお馴染みの説明書きで目新しく感じる点は無しですかね。動画を見ると表層は既存企業サービスのまんまですね。チラッとPayPalボタンなども見えましたが…いずれTUIのようにブロックチェーン管理がデファクトになるんでしょうね。

それにしてもトークンセールで「Early Bird Bonus」みたいな書き方は業界人を思わせるフレーズですがトークンボーナス70%って…最近は100%ボーナスも見かけますが…。

HotEngine : Decentralized Booking Engine Runs in the BlockChain

 

『COOL COUSIN』

先に触れた「MEETNGREETME」は評価要素を感じますが、こちらは自分の目的へ素早く的確にSNSを駆使して辿り着く感じですね。これまたP2Pですが、この種のサービスは利用者視点が多い中で、提供者視点も同時稼働。

なんと申しましょうか…エアビンのアクティビティ部分だけスピンアウトさせ、かなり尖ったサービスに仕上げてる感じではありますが…このICOに関係なく企業がパッケージ販売する時代は終焉を迎え、個人が商品化する時代へまっしぐらな感じです。しかもミレニアル世代の80%は「want to experience places like a local」って…本当がどうか知りませんが、情報が隅々まで行き届くと大都市はゲートウェイとして色濃くなり、ローカルの空気、時間、情緒に心地よさを感じる人が増えると思います。

iPhoneアプリをダウンロードして覗いてみましたが面白そうですね。

Cool Cousin – Token Sale

 

『TRIPBIT』

ブロックチェーンで決済という…取り立てて珍しさは感じない内容でした。一応動画も見ましたが、なんとなくICOが終わったらコッソリと消えそうな気も…。(←2019年11月、無事消えました)

TRIPBIT ICO

 

『TRAVELBLOCK』

なんとなく嗅覚が敬遠する内容ですが一応メモ。チームのプロフィールを眺めながら「4人でクルーズ船予約してバルコニー付の部屋で1人ずつ写真撮ったのかなぁ」と、全く関係ない要素を妄想。

一応WPも目を通しましたけど何がゴールなのかよくわからない…。

TravelBlock | Vacationing Through The Blockchain

 

『Smart Trip Platform』

正しくプラットフォームを提供したいらしいです。内容が3点書かれていましたが「1.価格」「2.プランニングツール」「3.コミュニティ」って…これまた内容の薄い…。

ただね、WPはちょっと面白かったです。

事例がウガンダとかキルギスという少々マイナーな切り口ですが書かれていることはいたってまとも。「アフリカのサファリは300us$/1日もザラだけど自分で手配すれば70us$ぐらいでできるはず」みたいなことも行ったことがある方だと「ウンウン」みたいな話しです。

相変わらずGDSアマデウス独占的切り口ではありますが…

  • 旅人の87%はスマホ持ち
  • 45%はアプリで事前チェック
  • 30%はアプリからホテルチェック
  • 旅人の半数はPCかスマホで現地チェック
  • 旅人の80%は現地で地図を使っている
  • 旅人の75%はレストランをチェックしている
  • 10人に7人は旅行後snsで共有 …etc

オジサンもこの数値に確実に盛り込まれております。

Smart Trip Platform – Blockchain for travel – ICO token sale (←リンクエラー)

 

『GOeureka』(2020.02.11 消息不明)

ホテルのブロックチェーン処理ですが…。

一応アプリのデモ画面や部屋管理のデモ画面を見ても目新しいものはありませんでした。パートナーにはアナンタラの文字。小ぢんまりとローンチでしょうか…。

まだまだ続きますが…

一連のICOを眺めながら「ネットを介しているから便利だけど手数料が高い」ことは誰もが知るところとなりそうです。どの会社もそこにフォーカスしてますが前にも書いた通り既存企業でブロックチェーンを導入し始めている会社があるので「あったらいいな」レベル止まりばかりで…特に惹かれる内容はありませんでしたが、そういえば業界ニュースでも面白い記事が出ていましたね。

民泊エアビーが旅行会社(OTA)に挑戦状、ホテル予約の格安な手数料で波乱の予感、小規模宿泊施設に公開レターも 【外電コラム】

エアビンが「まだ手数料30%で消耗してるの?」ということなんですが、そこに並ぶ名前は「booking.com、Hotels.com、Expedia、Priceline」というお決まりの構図。ここでは「30%から5%へ」というキャッチな数値が踊っておりますが…。

一般ユーザーは一旦横に置き、仮にメガホテル群の手数料を安めに見積もって20%から10%へ下がるだけでも大変化です。これをエアビンが言ったのですから「挑戦状」というタイトルなんですが…もうネット販売で儲けること自体が古くなっており、それまでの世界で何十年もかけて作られた仕組みと変化がネットだと数年で陳腐化する良い例でしょうね。

日本のような少子化、高齢化、自動化というトリプルパンチで収入を維持するには副業というよりは複数業という時代になりつつある中でネットを使うと手数料30%というサービスはいずれ敬遠されますが、今は対抗馬がいない過渡期で既存OTAが最後の甘い汁を吸っているのか、暫く続くのか…。

ICOを眺めて恒例の田舎から都会生活備忘リハビリでした。

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