沈壽官 : 世界の一流品は「ローカル」と「アナログ」

ひとりごと
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父親が入院中ですがテレビを見ることもなく寝る時間の方が圧倒的に多いようです。たまたま窓際のベッドを利用させてもらえたお陰で以前紹介した無電源ラジオが活躍中です。ありがたや。

シリコンハーベスト社の無電源ラジオが凄すぎる件 – en1

そんなことを書きたかったのではなく、NHKのラジオ番組で「ラジオ深夜便」というのがあります。朝の4時頃に「明日へのことば」というコーナー?があるのですが、父親はそれを聴いたらしく「なんかお前がゆーとるよーな仕事のヒントをゆーとったで、沈壽官」とか言うので聴いてみました。

放送日は7月23日の午前4時、番組内容は「薩摩焼400年の伝統とともに生きる。陶芸家 – 十五代 沈壽官」です。

そこで語られた内容の一つが「世界の一流品といわれるものはローカルとアナログという事」でした。かなり深い考察。私は陶芸家ではないですし、いまの日本は東京が全てのような流れですが、本質を突き詰めると早ければ10年以内にローカルが大切なキーワードになると思っています。

【沈家のあゆみ】 沈壽官窯 || Chin Jukan

そもそもこれを理解するには「沈壽官(ちんじゅかん)って何?」の知識がないとチンプンカンプンですので興味ある方はいろんな方のメモを読み漁ってください。なかなか深い歴史のお話しが隠れております。

歴史をすっ飛ばして結論だけ書くと、自分のアイデンティティを自分なりに追求しまくった後は、それをトランスするのが大事ということ。この業界の方がよく使われる表現に「伝統と革新という相反する、両極にあるものを融合して統合して新たなものを生み出す」みたいなことです。

(やはりものごとを極める方はこの域に達しちゃうみたいです)

ローカルで且つアナログで世界勝負するにあたり「足し算の発想ではなく引き算が大切な時代」という話しも分かる気がしました。ごく簡単に言えば、モノの売り方が今もって昭和な会社って結構な数あると思います。

たとえば何かモノを買うと「今ならこれが付いてくる」みたいなやつ。アメリカ風に言えば「Buy one Get one」みたいなこと。そういう古い商売を続けているとメイン商品が霞んできますよね。そんなことをするぐらいだったら枝葉は全て切り落とし、幹だけに集中して極める!みたいなことだと思います。

(あくまでも例え話しですょ)

でね、私の父親がなんでこのラジオ番組を私に聴けといったのかよくわからず聴いていたらオチは番組最後に語られていました。たぶん私の父親はこれを私に伝えたかったのだと思います。

現十五代 沈壽官が子供の頃、その当時のお父さん(十四代 沈壽官)に次のようなことを訪ねたそうです。

「お父さん、一人前になるという事はどういうことですか?」と。すると答えは「一人ぼっちになっても寂しがらない男になることだ」といわれたそうで、その心は「自分がこういう風に進むべきだ!というひとつの確信を得たなら、たとえ一人ぼっちでもその道を進め。」と理解されたそうです。それが今まさに一人になって試され、動機付けになっているそうです。

大切なポイントは十五代 沈壽官の言葉通り「確信を得たなら」です。この悟りにたどり着くまでが大変なことは言うまでもないことで、それだけでハードルを幾つも超える必要が伺えます。

最近のオジサンはと申しますと確信は得ております。あとはタイミング。しかし、先月貴重なタイミングを逸したことを気にする日々です。万事塞翁が馬となるか大失敗かはまだ分かりません。しかし確信を得ているので次は突っ込むと思います。

「一人前になるという事は一人ぼっちになっても寂しがらない男になること」- 十四代 沈壽官

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