毎日血管が切れそうな暑さです。全国的に39度は当たり前で局地的40度が通常営業になってしまい気象庁は災害アナウンスを出したそうですが、日本も昼間に仕事をすることは環境にも健康にも悪いだけですし働く時間帯を変えた方が良さそうです。そんな中、最近出入りしている場所がタイトル写真です。救命病棟24時な場所です。
病院内も定点観察すると面白い
病院に直接的にお世話になる病人立場だと近視眼的に見えないことも、健康な視点だと色んなことが見えます。特に面白いのが製薬会社の方々。
こう言ってはなんですが(化学物質である)薬は毒で人間にとって異物ですから使い方を誤ると治るものも治らないわけですが、病院内で製薬会社の人を見ない日はありません。必ず毎日どこかでウロウロしています。競合メーカー同士の立ち話しや携帯電話の会話で直ぐに分かります。
ここ最近はタイトル写真の場所に出入りしており、ここにはテレビドラマよりも過酷な状況に置かれた重篤な患者さんが運び込まれるわけですが、そのメインルートから少し離れた、人目につきにくい場所で3-4人の製薬会社の方がウロウロ。
先生待ちなんですかね。
違和感たっぷりの空気を放つ方々です。
ご本人は単なる仕事中ですが薬と命の関係を学ぶには刺激的なシーンが多く考えさせられます。
命を救うのが仕事とは言え、素人は知る由もないほど大量の薬品名に埋もれた生活をされていると先生も麻痺しますよね。たぶん。私から見ると毎日が異次元の世界です。
老人大国のリアルを見せつけられる救命病棟とミッシングワーカー
ここは筆舌し難い日本の縮図を見られる場所です。医療従事者も麻痺しているであろう光景。
約2ヶ月間のオジサン調べですがベッドに横たわる7割以上が高齢者だと思います。それに付き添う人も高齢者です。そのお見舞いに来る人も高齢者です。それをサポートしているのが私ぐらいの中年ですが私と同年齢を見る確率は少ないですね。
下手すると数年後の老々々介護を容易に想像できる世界。皆さんピンと来ないでしょ?
本当に想像を絶する世界ですよ。
2018年現在でこの状況だと、数年後に迫る超高齢社会は凄いことになると思います。「病床が足りない」とか「病院のベッドでは死ねない」とか言われていますが分かる気がします。地方でこのレベルだと数年後の首都圏は戦場ですね。医療機器は24時間動いても医師や看護婦・看護師は寝ないと死んじゃいます。つまり人間が24時間患者を見続けることは不可能です。
ベッドが空いていても医者が足りなければ満室と一緒。
そこで家族や親族が付き添うわけですが…..
付き添う親族や近親者が気をつけるポイントを2つ感じました。
特に私のような団塊jrや氷河期世代がこれを怠るとあっという間に社会からかけ離れた化石人間になってしまうはずです。誰もが簡単に陥る問題。
▪️ ミッシングワーカーにならないために毎日すべきこと
ラジオ、テレビ、新聞、ネットなどで日々ニュースを追うことは必須。自分の守備範囲の趣味の情報などでも良いと思います。意識していないと2-3ヶ月はあっという間に過ぎ去ります。今の時代2-3ヶ月情報を遮断すると1年ぐらい遅れる感覚だと思います。未来はもっと加速すると思います。
▪️ ミッシングワーカーにならないために週に1度はした方がいいこと
すべきことが山ほどあるなかでも一定時間は情報を深く掘り下げて吸収する時間が必要だと思います。自分の興味あるアンテナが反応する分野だとストレスも小さく深さも増すと思います。場合によっては新聞を買って読むこともお勧め。3時間程度でも没頭すると頭がリフレッシュ。
私は経験がありませんが(たぶん)子育てに似ているはずです。親子しか視界に入らない状態を作ると社会から孤立した雰囲気を自分で醸成してしまうアレですね。
で・も・ね、人それぞれ死に方も違うわけです。
ミッシングワーカーなるキーワードを他人が語るは易く、当事者の感覚が理解できると修羅場ですね。日々そういう縮図が垣間見られる場所が救命病棟ですね。なにせ命が尽きようとしている人もいる場所ですから。
万一に備えるリビング・ウィル(Living Will)
出入りしている場所が場所だけあって、そこではいつ何が起こるか分かりません。よって家族や近親者には万一(死に直面した時)の説明がなされるわけですが、それが日常的である人は少なく面食らうことが多いシーンです。
今回、とある病気のインフォームド・コンセントに際し、タッチな内容で歯切れの悪いやりとりを避けるため私がリビング・ウィル登録していることから生命倫理の話しをトントンと進めたわけですが、未だ一般的ではないこれに興味を持ったのは私が42-3歳の頃でした。
簡単に言えば健康な状態の時に健康ではなくなった時のことを宣言する遺書のようなもの。
巷では「独身は気楽でえーのー」なんて言われますが40歳を超え始めると人によっては人生後半を意識して片付けの準備も必要になってくると感じたわけです。人生を引き継ぐ人がない状況ですから無駄に延命してもらっても誰もお世話してくれる人はいません。死ねる時に死なないと本人も行政も困ります。
この国に生まれると簡単に死ねない。
自分が万一の時に医療関係者にメッセージを伝えることすら難しいのが独身です。もちろん独身に限ったことではないですし、人間最期は全員独身とも言えます。
医者は人命を救うお仕事とはいうものの、それぞれの「生き方」があると同様「死に方」もあって当然でしょうし、これから先爆発的に増える独身者の最期を冷静に考えると全ての命を救ってもサポートする人すら居ない時代ですから単に命を救う発想は時代錯誤も甚だしい非常識に変わると思います。生涯未婚率だけの話しではありません。(まぁ、ちょっと世知辛いですが…)
今後数年以内に尊厳死の権利・意思表示の書類携帯は常識になると思う
いわゆる団塊Jrから下の世代が高齢者になった時に近親者はなく、人口減少により信頼しうる人も近所にいない時代になることは現時点で明白。命を無駄にする気はありませんが、医者としての正義感から無理やり助けられて残りの人生を介助が必要な車椅子で過ごすようなことにでもなったらその方がもっと大変です。身寄りなき1人暮らしですから。
当然こんな調子で事が進めば無駄な医療が無くなると同時に人が減るスピードも早まって当然だと思います。政府の読みよりも人口減少は加速。
こういうことに興味を持つと冒頭で触れた薬の在り方、病院の在り方、保険の在り方など多方面で無駄なことや利権まみれビジネスを知ることとなり「日本は寝たきり患者世界一」というのもよく分かります。
人口減少で強制的に旧態システムは壊れる
インターネットの登場で中抜きビジネスは大破しました。
その中抜きサービスでネット企業が儲けているとも言えますが利権組は未だに跋扈しています。経済だけで考えると資本主義ですから国内外でM&Aを繰り返し、諸外国企業のユーザー数を日本人と足して全体運営というのも分かりますが、この調子だとそれもいつまで続くか分かりませんね。私の肌感覚としてまだまだ出生率は下がると思います。
ここ数年日本で起こっていることは住宅の増改築パターンに似たその場しのぎばかりです。大切なことは全て先延ばしし、直ぐに儲けに結びつきそうなことを優先的に採決している印象です。例えば水道やカジノのようなこと。これを続けていては若者が日本の未来に希望を持てない。
まぁ私も中年オジサンとは言っても40代は平均寿命から見れば若い年齢ではありますが、日本人の三大疾患はいつ発症したっておかしくない年齢になりました。
今は身寄りがあっても、近い将来身寄りがない生活になる確率が高い独身者はいつかリビング・ウィルを考える時がやってくると思います。
こういうことをメモると一見寂しそうに思われるかもしれませんが、その全ては常識が支配する思考故の足し算による寂しさだと思います。足るを知りミニマル生活を送っていると引き算で物事を考えられ、ゴミを産まずに土に還る清々しさすら感じます。
それにしても凄い世界です。一瞬たりとも気が休まる隙のない場所で刺激が多すぎました。
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