少し前に履歴を消すと発見があることをメモしたのですが、消しても出て来るYouTube動画の芸能ゴシップレコメンドを眺めながら「今は興味がなくても誘導するから着火する時代かなぁ」なんて思っていました。グーグルがAIで好みに合わせたニュースを勧めたり、AI同士でお店の予約をする動画が話題ですが…こうして書くとバイラル化して話題になる時代ですね。
これをグーグルで担当した方ってどんな性格ですかね。システムが二重人格的に働いてくれる思考は物事を合理的に考えられる方じゃないと便利でもカタチにし難いと思いますが、仕組みが出来上がると合理的に考えられない人にとっては超絶便利に受け止められる気がします。
そんな中GWの前半戦で久しぶりに見はじめたら止まらなくなったTED。動画共有サイトと違い短くても中身が濃いですし、かなり難しいキーワードも使われていて勉強になります。相変わらずキレッキレで心をえぐり人を動かす動画がてんこ盛りでした。幾つかメモ。
ベス・マローンさんの「認知症と死」
ポイント
- 死なせたい、殺したい、生きる幸せへの疑問は誰でも悩み考える道。
- 親子のごく普通の日常、時間が流れることは平凡に見えて非凡なこと。
日本語バージョンはコチラから。
動画を見て単純にウンウンで終わらせず自分で考えさせる系動画が増えてますね。行間を読まないと理解しにくい内容でしたが印象的なキーワードは父と娘が同じことを思い「寂しくて会いたかった」という点。認知症のやっかいな点そのものだと思いました。
私の身近にこれから起こるかもしれませんが認知行動は幼児に似てますよね。予測不能。違うのは大人なのでアクティブに大暴れしだすと手がつけられない点だと思いますが…巷では認知症カフェなども通常営業時代となっており…アメリカ人のベスさんも日本人と同じことを悩むわけで世界共通。
ただトークは犯罪紙一重の「パパを殺すことにした」というスタート。こういう話しはどこにでも、だれにでも有り得ると思いますが、いざ動画としてネット公開するとなると意外と難しい内容です。TEDが社会的意義のある組織として世界的に認知されたということでしょうね。
スー・ジェイさんの「性教育」
ポイント
- 感覚を言葉で表現するには努力が必要。
- 子供の世界は大人のような二者択一ではない。感じたことを表現できる人に。
とても繊細な話し方をされますが実に多才な仕事をされる方と知って驚き。こんな短い動画なのにタッチな内容をソフトに包んだトークで内容を把握しきれず二度見しましたがポイントは最初の1分に凝縮されているようです。「子供たちは言葉よりも感触で自分と他者を区別している」と。理屈ではない。
確かにスペックや結果の知識ばかりで感触、感覚という角度に欠けてますね。なんで大人になるとYes or Noクイズの思考になっちゃうのかを溯ると子ども時代の体験が大切ということにんでしょうね。相変わらずTEDの幼児や子どもネタは面白い。
アンナ・ロスリングさんの「世界の見方」
ポイント
- 生活の質は収入に応じる。国境を超えて。
- マスメディアの視座ではなく自分の視座を持つこと。
私にとっては驚くほどの内容ではありませんでしたがこういう視点は大切だと思います。flickr、Googleフォト、Instagramで簡単に出来そうで絶対に出来ない実生活のリアル比較。インスタ蠅とは無縁のファクトです。
なんとこの統計に日本が無い!これを見て思ったのですが独身が多い日本だとファミリーが1人だったり、やたらとペットが多かったり、バックヤードや農地が無かったり…。これを見ていると商品の購買層も透けて見えます。「生活の質は収入に応じる」ということが日本で可視化されたら面白いことが起こりそうです。
レラ・ボロディッキーさんの「言葉について」
ポイント
- 言葉によって認知力に大きな違いが生じる。
- 言葉は論理的思考に影響する。
自分の使う言語と語彙が考え方に影響することは日本人だと想像しやすいと思いますが世界にはシンプルな表現も多くレラの話を聞いて「そうなんだ」と思う人も多いというお話しですが、日本人も失っているものは大きいですよね。
昔商品名の説明に「モカ、キャメル、マロン」みたいな単語の使い方をご提案したことがありますが、全て和色にあるのに変ですよね。おそろしく細分化して表現できる言葉を持っているのにファッション性優先の表現なんですかね。
ふと将棋の藤井聡太さんの小難しいトークの切り返しを思い出しました。大人なキーワードを連発する理由は活字に触れる習慣からだそうで。私が子どもの頃「テレビばっかり見てたらバカになるで」という親の言葉の通りバカな人生を送っていると同様、YouTubeばっかり見てたらそのうち新語で形容される日も来るんでしょうね。
全然関係ないけどこのワンピースがかわいいですね。肩パットが気になりますが…。
書き出すときりがないのでこの辺にしときます。
たまたまピックアップしたら全て女性になってしまいました。男性動画も見ましたが、やはり男は仕事とお金の視点かそれをブッ飛んだ神がかり的領域のトークが多い傾向に感じるのに対し、女性は感情やデータからの考察が面白いです。また忘れた頃に覗きたいと思います。
ちなみにこのTEDはYouTubeでも見れますが最近のものは設定を触れば日本語字幕で見られます。ほんに便利な時代になったものです。全てグーグルの手の内です。
コメント