あっという間に11月。日々寒さが増しております。アメリカのハリケーンの爪痕が痛々しいですが、あまりニュースとして届いてこないと感じるのは地震による麻痺でしょうか。人類史上といった言葉を何度も経験すると...とか思う今日この頃です。
さてと...
しばらく更新をさぼってしまいましたが、最近は「理念」について考えております。
いろんな書類を作っておりますと、どうしてもネガティブな数字が踊るので右肩下がりな文章になります。先月は東京でIMF、大阪ではSibosが開かれ、目先のビジネスとしては特需が在り、来年の数値としては今年より確実に悪くなるということが発表されたばかり。
(これを真に受けて文章を考えていますと、ワクワクした話が1つも湧いてこないない)
さて、タイトルを表層的に考えますと「理念で飯は食えない」という経営者の声が聞こえてきそうですが、本当にそうかな?と考えているのでした。
たどりついた単純な答えは「普通のことを普通にすること」でした。それは理念という漢字の由来をひも解くとよく理解できます。
こんなことを考えていると、20代に働いた中華系企業を思いだしました。
その会社は半期毎に「スクラップ&ビルド」を繰り返す体質に馴染めなかった。朝令暮改の会議に馴染めなかった。矢継ぎ早にM&Aを繰返し想像を絶するスピードで企業が巨大化する姿に馴染めなかった。
今でこそ企業が成長する「スピード感」はあたりまえに理解できる感がありますが、当時は自分が若かったこともあり、日本的な商習慣で言えば「信頼されない会社」という部分を「信用されるように頑張る日本人」という盾で立ち向かっていたような気がします。
本当に「価値(感)」というものを大切にする必要があるんだな、と。
情報が増えれば増えるほど価値観の変化は早く、未来は数日で心がブレるほど情報に溢れることを思うとブレない「価値(観)」は本当に大事だと思うのです。
「技術はいずれ追いつかれる」なんて言葉を聞くにつれ、グローバルに展開しても負けない部分はこの辺りのことだろうな、と。
今の日本が毎日捨てているのもこの部分。
それが理念です。
しかし、理念を作るには膨大時間がかかり、かつ目に見えない。
そもそも論として体系化を思いつく経営者がいたとしても、それをカタチにすることは至難です。かつてそれを仕事とされた日本人コンセプターの書籍などを読みますと「なるほど。理念というのはこうやって作るのか」と考えさせられます。
(思わず唸る出来栄え)
理念は経営者のひとり思いだけを書いていれば良いという単純なものではありません。
タイトル通り「自分の道を踏み外さないために念い続ける言葉集」です。理念を作るということは事業構想ということになり、それを計画するということは未来の組織図、組織力を描く必要があります。商品を売るためには教育やノウハウが必要で、そのためにマーケティングが営業を動かす。その全てにおいて財務がしっかりしており数値管理できていなければプランはパーです。
それら全てを形容するキャッチコピーは最後の話。
しかし出会う経営者の9割はキャッチコピーを作っておしまいなのですょ。
だから言葉や図で体系化された理念が必要になるんだろうな、とか考えている11月です。
事業の迷いを払拭する何らかの指針を持っていて損はない。それを見て我に返ることもある。
人生は判断の連続だから。
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