むかしお世話になった人、仲良くしていただいた人、悪い記憶しかない人などをふと思いだして「そーいえばあの人どーしてるかなー」って思うことがありますよね。今日はそんな内容です。
そしてその人のお名前をネット検索するわけですが…
そうそう、たまにLinkedInで「あなたのプロフが検索されています」メールが届きますよね。
私なんてほとんど何も書かずに放置ですが名前と顔写真で突き止められるようで、中身を見ると「知り合いかよ」みたいなことも多々でございます。
もとい、タイトル写真の搭乗券は2006年のものです。
探せば11月の搭乗券も出てくるはずですが、あれから15年が過ぎたことをおもうと泣けてくる体の壊れっぷり。そんなことはさておき、当時の私は30代半ばでビデオカメラを抱えて全国行脚に明け暮れていたころです。
いまだから言えますがこの仕事で一度寝坊したことがあります。
当時神戸に住んでおりましたが伊丹発フライトで出発時刻1時間前に目が覚め、猛ダッシュでタクシー乗り場へ向かい、たぶん運ちゃんにがんばってもらい、離陸10分前滑り込みセーフで肝を冷やしたことを思い出しました。
航空券や搭乗券を眺めると色々と思い出しますよね。
コロナが落ち着けばまた色んな物語が生まれますね。
いつものように盛大に話がそれましたが…
このとき徘徊した場所は有田、波佐見、白山といった名称で知られる地域でして、いまの私が無類の白磁好きのきっかけとなった時でもあります。歴史ある大きな窯元からクラフトマンの小さな工房まで様々な焼物(工場)を拝見しました。
そのときの撮影でお世話になった一人に城谷耕生という方がいらっしゃいました。
当時は「TIPO」というネーミングで販売されていたシンプルなカップに一目惚れしました。今は倉庫に放り込んでいて手元にないのでこの場でお見せできませんが「hasシリーズ」として今も入手できるようです。相変わらずリーズナブルなお値段。
是非ともご覧ください。色、大きさ、軽さ、薄さ、デザイン、どれをとってもミニマルにして洗練されたフォルムです。たぶん50年後、100年後の人間が見ても惚れると思います。

当時の城谷さんはBMWが愛車で偉ぶった雰囲気を微塵も感じさせない方なので、わたしは「柔らかい物腰のわりにイカツイ車に乗ってんなぁ」とか思ったものです。細かいことは忘れましたが譲ってもらった車だったような記憶も…。
夜は小浜の地魚が美味しいお店にご招待いただき何かとよくしていただきました。
STUDIO SHIROTANIから望む内海の景色も格別で「そーか、都会より地方の方が財布にも心にも優しいな」とも感じたものです。
この時のインタビューで大分の竹細工、白磁の収縮率、デザインも他の仕事同様に問題を解決するために存在すること、美しいものは時空を超え昔の人も未来の人も美しさを覚えることなどを話された記憶があります。先に長崎県美術館のリンクからご覧いただける通り、面白い経歴の方でございます。
本題はここから。
その城谷耕生さんが2020年12月に亡くなられたニュースに接してびっくり。
NCC 長崎文化放送のソースには「2020年11月、くも膜下出血で倒れた後、病院で治療を受けていましたが意識が戻らず、12月13日朝、息を引き取りました。」とな。意識が戻らなかったとありますから暮れにご家族の決断も推察されます。
そりゃーびっくりするでしょ。とても胸が痛い。
つまりですね、わたしもいつ倒れてもおかしくない年齢ですが、なにが残念って私のようなボンクラがのうのうと生き、才能ある城谷さんが逝くってね、言葉だと運命ということになるんでしょうかね。とても残念です。
それでね、改めてweb shopの商品群を眺めておりまして、相変わらず「[has] mini bowl」などは手に持った軽さ、薄さ、丸さを思い出す逸品だよなぁとか思い出していました。

せっかくのご縁なので今回何か手にしたいと思ってサイト眺めてみたものの、絶賛介護地獄の生活に荷物は少しでも減らしたいのでカゴに入れては削除を繰り返し、最終選考に2点残り、いずれも決して高くないアイテムなのに最終的に1点に絞りました。
最終選考で脱落したのは「[CAST] ミルクピッチャー」税込660円。安っ。
実はウイスキーを楽しむとき、ストレートにちょっと加水して香りや味の変化を楽しみたい時に適当なデザインのアイテムがなかなか見つからず、長年探していたので「これはこれで良いな」と思ったのですが、デザイン的にはロックグラスに合いそうな雰囲気だったので今回は買いませんでした。自分がバーでも経営してれば勢いで揃えたくなるデザインではあります。
50の独身オヤジが選んだアイテムはコチラ。雑な写真でスマソ。

[has] flower bace S
今年咲いた椿を挿してみました。
ちょっと花が大きすぎるかと思いきや意外とフィットしてびっくり。このフラワーベース、なかなかの重量感です。本当はタンポポでも挿したかったのですが、今、ちょっと腰が痛くてね、歩き回る元気なし。
私はセンスがないのでゴージャスな盛花を好みませんで「野花1本ちょこん」が好きなのですが、白磁でシンプルで美しいデザインのフラワーベースに出くわすことは滅多にございません。Sサイズのみでしたのでちょっと心配でしたが、こーゆーの、好きです。ちょこん。
城谷さんとの一期一会に感謝したいと思います。
それにしても、ほんと、才能ある人が自分より早く逝くことを知るにつけ、少々の苦労は苦とも思わず楽しむ度量が必要と自分に言い聞かす日々でございます。
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