芸術に全く触手が動かない日々でしたが…重い腰を上げました。
久しぶりの「琳派」です。
ちなみに現在パリへ「風神雷神図屏風」が上陸中だそうです。
プレスリリース「TRÉSORS DE KYOTO TROIS SIÈCLES DE CRÉATION RINPA 」にはKôetsu、Sôtatsu、Kôrin、Kenzan、Shikô、Roshû、Hôchû、Sekka…の文字。
2019.1.27まで開催中らしいので年末年始にパリ上陸予定の方は必見ですね。
20年近く関西を根城にしていても京都国立博物館、細見美術館、姫路市立美術館、兵庫県立美術館はそれぞれ1-2回行った?程度なんですが、人とのつながりではまってしまったのが琳派です。
折しもミニクーパーとさよならの時期が近いこともあり、まったく疎遠な場所へロングドライブしてきました。地名としては有名ですが人生初上陸の場所。
ザックリと私の好きな琳派は…
- 抱一の四季花鳥図や富士図
- 其一の朝顔図屏風や富士千鳥図、群鶴図屏風
- 光琳の燕子花図
- 始興の吉野山図
- 雪佳の吉野 …etc
とまぁ、色々あるわけですが、何かの記事広告で酒井抱一の「四季花鳥図屏風」が展示されるというのを目にしたので「時間を作って行ってもいいかなぁ」と思っていたのですが、この展示は熊野町という場所で前・後期に分けて開催されており、お目当のものは前期で終了でした。
こんなお宝が地方の僻地で見られるなんて贅沢ですよね。これだけの作品を集めるにはなかなかご苦労がある一大イベントだと思います。
近所の小中学生は時間を作ってでも見た方がいいお宝展示です。残念ながら見逃した「四季花鳥図屏風」は陽明文庫からです。本当に大失敗。痛恨のミス。
でも「四季花鳥図屏風」だけが全てではないので車との別れも兼ねて見てきました。
残念ながら館内は撮影禁止ですので目に焼き付けるしかありませんが、今回は珍しく出展目録の本を買ったのでチラリとご紹介。
お久しぶり「朝顔図」
芳中さんと言えばかわいい系「狗子」が有名で私も好きですが、芳中さんだけに止まらず、たらしこみで描かれた朝顔は大好きです。花びらが完全にデザインですよね。
見ればだれでも「朝顔じゃない?」って分かる日本人的感性が素敵です。芳中さんって元祖丸文字じゃね?って思っているのは私だけじゃないですよね。
初めてじっくり拝見した「藤袴図屏風」
作者は対青軒です。対青軒は(たぶん)俵屋宗達の雅号だったと思いますが…忘れましたが、、、
この屏風は左右を入れ替えても楽しめるという代物でして、しかも個人蔵という凄さ。
ただね、改めて屏風を使う段のことを考えながら「左右どっちに置いてもokなんて洒落た発想だなぁ」なんて思いながら眺めていました。後期展示のスタンドアウトだと思います。
酒井道一の「夏草図屏風」
抱一さんの「夏秋草図屏風」の模写ですが、そのまんまですね。
道一さんは其一さんの弟子だそうです。完璧にオマージュ。日本人なのに東京国立博物館へは一度も行ったことがありません。残念。
俵屋宗達の伊勢物語図「関守」
これも個人蔵なんだそうです。凄すぎる。
なんと申しましょうか…平安時代のゴシップシーンを宗達さんが再現したらこーなった、みたいな絵です。右の人が在原業平さん。
左側で睨みをきかすは二条后(藤原高子さん)のガードマン。
しかも二段階セキュリティ。
身分の違う者が愛瀬を繰り返しているうちにバレて「人知れぬ わが通ひ路の関守は よひよひごとにうちも寝ななむ」ということだそうです。
つまり「関守ガードマンが寝てくれれば逢えるのに」という名シーン。
雰囲気、出てますよね。今で言うところのストーリーテリングですかね。
久しぶりに気分転換できました。願わくば「四季花鳥図屏風」を見たかったのですが無念。
こういうDNAが脈々と受け継がれてきたわけですが時代は「移民から次世代日本人」とか言われております。寂しいものがありますね。
さすがに経済中心主義の移民から琳派の表現者は想像できません。
琳派の絵師達はどなたも好きなんですが…素敵な構図でデザイン化されシンプルですよね。
そういえば売店コーナーでは琳派展でお馴染みのグッズが売られていました。目新しいものは無かったです。以前にも買おうか迷った芳中の朝顔図の京団扇を…眺めただけで撤退しました。雪佳の金魚玉図も鎮座してましたよ。
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