20年前と20年後の製造業に思う消費行動と商品レビュー

ひとりごと
Razer Ferox RZ05-0050
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「暑っ、寒っ、雨かよ」の繰り返しでしたが少し夏らしくなってきました。ここ数年の記憶だと5月後半にゲリラ豪雨ですが今年はどうなりますかね。去年は濁流にホタルの幼虫が流されて霞む風情だったので、今年は綺麗な光を拝めることを願っております。そんな中、とある方の名言ですが「未来が見えると過去になる」という言葉を思い出しながらステレオやハイコンポの情報を漁っておりました。

私が難聴気味なことは何度か触れてますが、この状態になると静かな場所でゆったりとした曲を選びたくなるも、iMacで聴いている音源もMP3だとお世辞にも美しい音ではないので全曲AAC(アドバンスドオーディオ)やALAC(アップルロスレス)にエンコードして綺麗な音で音楽を聴いていました。

ちなみにAACやALACというファイル形式も圧縮していることに変わりないので本当に美しい音色となればWAVファイルとなりますが、WAVのような容量を食うファイル形式だとストレージを食ってしまうので少々音質が悪くてもMP3を聴き続けて早10年。10年も経てば世の中様変わりですね。

そういうファイル形式とこれから主流になるであろうネットワークオーディオの関係を考えながらスピーカーについて調べていると20年後の日本は寒々しい感じがしました。

昔のステレオを思い出した

おそらくスピーカーやハイコンポ(昔のミニコンポ)の仕組みをスッと理解できるのは私ぐらいの年齢だと思います。やたらと詳しく語るのはバブル世代から上の….たぶん今還暦ぐらいの方々が得意な分野だと思います。

スピーカーやアンプを調べていたら子どもの頃の記憶が蘇り、中高生の頃にTechnicsのステレオを買ったことを思い出しました。この頃は紙のパンフレットを何度もめくり返しながら選ぶわけですがスピーカーもピンキリでΩやワット数とアンプの理論数値を元に選んでいた時代です。今のように他人のレビューが見られない時代ですから雑誌で調べたり自分の頭で考えて数学的思考で原理と理論を計算して音質を妄想し店舗で聴き比べて選ぶわけです。もちろん店員おすすめスペックでも買えますが、自分で考えて整えることに喜びを感じる時代です。

実家のステレオがどうなったかは知りませんが、フォルムから型番を調べて性能を見るとミドルクラスだったようです。中年世代だとCM最後に流れるサウンドロゴ「テクニィ〜クスゥ〜♪」というのが懐かしい方も多いですよね、きっと。この動画だと薬師丸さんバージョンなど。

この頃は「モノ作りに魂を込めて」なんてキーワードがドンピシャ当てはまる晩年の製品。アナログ家電製品で頂点を極めた国だけあって製品のクオリティが高いことは有名で、その世代のレビュー(という自慢話)を見れば一目瞭然です。

でも私の世代で欠落する情報は多いはず…

名機はヤフオクやメルカリで取引されていますが、メンテナンス費がバカにならないので真空管の球転がし同様に大人の道楽と化しつつあるのですが丁寧に扱われていると今でも使えるお宝スピーカーがあるんですね。

そこで気になったスピーカーの1つが1997年にソニーから発売されたDHC-MD919というミニコンポにセットされているスピーカーです。近所のリサイクルショップでフルセット4,000円で売られていたものを試聴したら思いの外美しい音色だったので驚いたのですが、調べると高評価のスピーカーでした。バブル崩壊から数年が経過してもこんな製品を作っていたんですね。

このコンポは今でも1万円以下で取引されているみたいです。以前も書きましたが音色の好みは聴く人によって様々ですし、流す曲によっても特徴が分かれますからこのスピーカーを名機と呼ぶかは別とし、再現力のある素晴らしいスピーカーというメモに留めます。たぶん外装がスチールではなくウォルナットであれば準名機入りしそうですが…。

でね、これは私世代がレビューをガッツリ書けそうな機種ですが文字での感想は残っていても実機の詳細情報が見当たりません。最近のパターンとして中古販売用紹介動画は山ほど出てくるのですが…。

この手の情報を探してたどり着くベトナムの中古販売店とおぼしきレビュー動画ですが、驚くのはその美しさ。元々丁寧に扱うものですが昨日今日発売されたような極上品。音質は2分過ぎから楽しめます。

この動画を見ると色んなことを感じずにはいられません。

今から20年前の製品が今でもピカピカということ。MDこそ消えましたがこの音質をベトナムの人が手にして聴ける時代になったということです。20年前のモノ作りは21年経っても色あせることなく輝きを放っております。1人あたりのGDPが3,000ドルを越えると家電が売れ始めるとか言いますがベトナムはその通りの展開。このコンポが発売された1997年と2018年のGDPを見ると凄まじい勢いで物質的豊かさが浸透し、世界がフラット化していることが分かります。

ベトナムの一人当たりのGDPの推移 – 世界経済のネタ帳

もし日本で可処分所得を楽しめない人が増え製品の質が下がっているとしたら2038年からふり返る現在の情報は薄っぺらい内容だらけな気がしてきました。

2038年は多死社会と言われていますがそんなことは2030-35年頃には可視化されているでしょうし、その頃から見るこのスピーカーは40年前の代物ですがどう映るのか?おそらく日本社会は「まもなく人口1億人割れ」とか言ってる頃です。

一般的には安くて良いものを求めるのが常ではありますが20年後には後悔しているような気がします。安くて質が良いというマジックワードの両立は至難。少なくとも私はこのベトナムの動画を見て「この頃の自分は朝から晩まで働いて僅かな手取りで生活してて…こんなことへの興味すら湧かなかったなぁ」なんて思いながら見ました。私がそう思っていたほんの数年前はステレオをローンで買う時代して。今の若い人が聞いたらびっくりするはずですよね。

ここ数年「高齢者になる頃にはこんなことしたいなぁ」と妄想しながら必要になりそうなものを少しずつ集めておりましたがその一つにスピーカーも加わりそうです。慌てる必要がないことですが思い付きですぐ入手できるものではないので時間をかけて探したいと思います。

冒頭で「未来が見えると過去になる」と書きました。実際は予測不能ですが昔よりは具体的に妄想可能な時代です。「国家100年の計」では足りない時代かもしれません。

こういう情報を漁ると必ずおすすめ動画が並びますが最新の3-5万程度のBluetoothスピーカーレビューを20年後に見ると殆どゴミ情報なんでしょうね。自分がどういう情報を発信したかは未来で大きな差が出そうです。正にベトナム語で発信されるDHC-MD919の情報そのもの。

ところで先日ガラクタスピーカーについて触れましたが、ガジェットの中から出てきたスピーカーがタイトル写真。2011年に販売された「Razer モバイル ゲーミング&ミュージック スピーカー RZ05-0050」らしいです。

この製品はノイズ発生の個体差がある時点で製品管理されていないレベルの商品ですが私のものは機嫌よく動いてくれています。メーカーが自慢するほどの低音は感じられませんが今流行りの360°スピーカーの走りですね。置いて使う製品ですが両手に持って上部を自分に向けると360°の意味を理解できる代物。今も売られていますが音質は2-3千円のPCスピーカーと同レベルに感じます。違うのは聴こえ方だけ。

デジタル時代に3D表現は常識になりそうです…と書いたこの内容が薄っぺらいということで。

デジタル機器とアナログアンプ融合のハイブリッド時代 – en1

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