少しずつ増え始めた旅行業界のICO案件も刺激的

tourism_ico ICO
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最近は評価経済や信用経済という言葉も認知され始めています。後で少し触れますがこれと仮想通貨やトークンビジネスは(たぶん)親和性が良いと思います。それぞれが新しい分野のこと同士で連携し始めているので、先のことは分かりませんが仮想通貨だけの話しになると非中央集権型と中央集権型の違いがリスクで、だから「バブル」とか「いつでも下がるし価値はゼロ」とか「怪しい」とか言われるわけですが、それは「単なる多様化?」思っていました。

詐欺(のようなこと)はリーガルでも日々横行しています。

仮想通貨で家の購入は想像しにくい(レアケースとしてありますが)ですが少額であれば電子マネー延長のノリで容易に想像できます。コンビニで使えれば日常の決済方法が増えて便利になりそうです。ネットが出現した頃によく「こんな仕組みで物が売れるわけないだろ。顔も見えないのに」と言われていましたが今そんなことを言ったら「お前バカか?」って言われますよね。それと一緒かな?と。

多様な経済圏ができ、地球規模で有効な仮想通貨もあれば、日本だけで有効な日本円もあれば、用途や地域が限定されトークンに置き換えられて流通するものも。それはマイクロペイメントが必要な地域では貧困脱出の底上げになったり、そもそもリーガルの価値が高い国では貧困化にもなりかねなかったり。

20代の頃 Robinson Club というリゾート施設を何度か利用しました。いわゆるオールインクルージブ(全部込)施設。当時は施設内で使えるプラスチック玉を数珠繋ぎした(確かビーズと呼んだ)代替通貨がありました。サービスに応じて珠数で支払う方法。施設敷地内では日常から離れリゾート満喫を演出するために使われていたと記憶しています。昔から価値を置き換えるアイデアはあるんですね。ある意味仮想通貨です。

クルーズ客船に乗ると乗船前にクレジットカードを登録していれば下船時は自動チェックアウトです。明細に間違えがあれば文句を言いますが問題なければ下船するだけ。昔は下船日(前夜)に行列清算していたのですが今は4,000人乗るようなメガシップがウヨウヨ走っていますから部屋ごとに清算したら日が暮れて次の航海に出発します。

寄港地で楽しむツアーもいろいろありますが、今までのように個別管理をシステム連携すると超絶手間で予約記録から精算までトラブル頻発だったことがブロックチェーンだと(たぶん)一気通貫で解決です。「ブロックチェーン=仮想通貨」みたいな昨今ですが「分散型台帳」と聞けばピンとくる業界関係者もいるような気がします。既存アルトコイン毎の特徴(送金とか契約とか匿名とか)の幾つかがmixされて進化したら、今はそんなサービスを導入している会社はありませんが、たぶんコッソリ開発中で或る日突然リリースされて一気に普及すると思います。細かいことは書けませんが 船内で落ちるお金というのはビックリな額です。1航海毎にワクワクしたお客様が新しい商圏を形成しますから、私が社長だったら社内のブロックチェーン開発指示を出していると思います。

殆ど全ての場所でコイン(トークン)だらけ。女性の分厚い財布の中身であるポイントカードは消え一元管理できるようなウォレットアプリで財布は薄くなるだろうな、と。昔ながらの喫茶店のコーヒーチケットまで置き換えられると思います。

こんなことを考えていると、仮想通貨は決済方法なので既存で規模のビジネスをしている会社ほど導入したいだろうし、有効に機能するし、誰でも自分通貨を発行できる時代が来るんだろうと大妄想している今日この頃です。

さてと…

ICOのホワイトペーパーを斜め読みするとき知らない業界はさっぱり鼻が利きません。専門用語や業界の仕組みを知らないので読んでもポイントが掴めません。既成概念を突破する仕組みなので従来の仕組みを多少でも知っていると理解が早まります。例えば最近流行り?の銀行系ICOは自分でも生活の一部として利用しているのでなんとなく理解できます。こんな感じで観光産業のICOを見ていました。

今年は上期に「てるみくらぶ」が逝ったのですが、その第一報はBSP清算で航空チケットの発券につまづいたことでした。私が払った航空券代金がいかにして航空会社の口座にチャリーンと落ちる(もしくは落ちなくなって倒産する)かという仕組みは長い期間をかけて整えられています。

ザックリ言えば昔は色んな会社から振り込まれるお金を束ねて、そして束ねて、また束ねてといった感じで効率化されたのですが今では束ねなくても会社毎に白黒つけられるようになっています。

かれこれ20年前ぐらいから仮想口座消し込みの仕組みが生まれ格段に便利になったのですが今では航空会社も導入済なんですね。知らなかった。(仮想口座説明は省略)

そこに仮想通貨という新しい考え方が入り、最近はH.I.S.でビットコイン決済開始というニュースがありました。これは結構大事な一歩で従来型企業が新しい決済方法の価値を認めて交換できることなので、ビットコインは持っていても使えない段階から持っていれば使える段階へステップアップし始めています。レバレッジの大きな仮想通貨を決済導入することをリスクに感じる面もあれば、それだけ持つ人が増えているとも言えます。

こういうニュースを見ると「ん?そろそろ旅行産業内のICOってあるんだろうな」とか思って調べたらやっぱりあるんですね。どのホワイトペーパーにも「今や旅行産業は世界の主要産業の10指に数えられ、そこに従事する人々は・・・2035年のマーケット予測は・・・」みたいな似たような内容だったりします。でも知らないことの方が多くて勉強になります。やはり自分の経験や体験があると吸収力と理解スピードが違います。

 

TRAVELCOIN (2019年9月を最後に消息不明)

既に8月でICOは終わっていますがトラベルコインだとOTAサービスはこうなる!と。

  1. 手数料はお代の1%ぐらい
  2. ダブルブッキングはないよ
  3. 独自のロイヤリティプログラムを持つよ
  4. 旅行プランを簡単に組み立てて完結させるよ
  5. 本当のリアルタイムにするよ
  6. キャンセルする時他の人にリセールできるよ
  7. バスやタクシー、カーシェアも機能させるよ

有名どころOTAが苦手とする部分をつなぐことができる仕組みと宣伝されております。だからトークン買って応援してね、と。面白そうに感じたのは5番と6番ですかね。ブロックチェーンだとサプライヤー側が在庫管理の管理から解放されて本当のリアルタイムに変わりそうですし、止む無くキャンセルするホテル予約を他人にリセールしてもチェイスしてトラブルなく完結できそうです。(no showも防げそうな気がします。)個別機能は既存に存在しますが横串!ということで来年秋には稼働するらしいですが成功するや否や。

つまり既存のメガOTAと新しく生まれるICO企業のどれかがいずれ近いうちに連動するということですが、それを手にするのはどのICOか当てまょうクイズという昨今。もしかするとメガOTA自体からトークン発行の大鉈が振り落とされることも考えられます。

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Bitair (2017年12月時点でスカム認定)

こちらはICOの最中。ビットエアーだと決済はこうなる!と。企業が資金確保にICOとIPOを検討するのは当たり前になりそうな感じですね。

bitair payment

これは日本大好き担当者が描いたんでしょうかね。新幹線の文字と温泉マーク(12/18YouTubeリンク切れ)。とにかく決済簡素化を前面にアピールしておられます。これも紐付けばトラベルコインのようなことになると思うのですが…。2018年早々にはメガOTAと決済連携を合意したいと書いてあります。「Reach agreement on deploying Bitair pay-ment solution via top ten chosen global website such as :Expedia.ocm ,Travelport.com ,Cheapadvisor.com ,Booking.com , Agoda.com」。トラベルコインとの違いは軸足が航空会社という点ですかね。

ザックリ言えばオーストラリアとジャカルタとマニラで従来方法の旅行会社が小さいながらもICOやIPOに挑戦中ということでマニラの住所をググると「ここで何してるんだろう」みたいなビルが出てくるわけですが、そんなことも見つつ既に公開されているスマホアプリをインストールしてみれば未来が想像できます。何かと話題の怪しい噂でもちきりの「Air Bit Club」ではありません。テストマーケットがローカル気味なことが気になりますが…インドネシアは人口ボーナスが続きますしICOが成功したら…。

こうやってコツコツとローカルマーケットでテストして信頼と認知度を上げていくか、はたまたガリバー級ICOが登場して全てを根こそぎ持っていくか。妄想は尽きません。

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Pally (Feb 27, 2019を最後に失速中)

この動画を見てピンときたらたぶんあなたはトレンドに敏感なタイプ。

これは全く違うソーシャルな切り口。友達の友達はみな友達だ!世界でつなげようタビ友の輪!です。スタートはロンドンですがジワジワと注目されています。それがかけがえのない想い出(priceless memory)を作るよ!と。

例えばあなたがひとりで海外出張に出かけたとします。普通はなかなか知り合い(つながり)がいない場所。有名な旅行代理店やツアーがあることは知っているしネットにつながれば即予約だってできるけど、そんなかしこまったスタイルや決められた時間で動きたくもない。仕事でもオフタイムは気軽に有効に使いたい。そんな時に登場するのがPally。

β版を見ると分かりやすいと思います。雰囲気としてはAirbnb内でのアクティビティに近い使われ方。タイムバンクのようでもあったり、クラウドソーシングのようでもあったり。「私はこういうことが出来る」と「私参加したい」個人をコネクトします。既に切り口の緩いサービスは日本にもありますよね。

今までのように現地オプショナルツアーから選ぶスタイルは選択肢の一つに成り下がりますね。よく「付加価値の高い旅行商品」とか言われますが、それは徐々に消費者のアイデアが結びつく小さな商品の集合体へ変わりつつあるみたいです。でも考えてみると理にかなっていますよね。海外渡航経験の乏しい大手旅行代理店のスタッフがネットワークを駆使しても即答できないようなことを顔を見て、評判を見て、価格を見てスマホでポンです。これってどんな業種でも応用できます。皆様が書きたくってきたことが解消されるわけですが…。

検索すればいっぱい出てくる (◎_◎)恨みつらみ...

検索すればいっぱい出てくる (◎_◎)恨みつらみ…

レ・ミゼラブルの「民衆の歌」が進行中です。

Will you join in our ICO?Who will be strong and stand with me?Beyond the barricade. Is there a world you long to see?

画面(あくまでもβ版ですが)を見ると「ロンドンを一緒にランニング」「一緒に食べ歩き」「ノッティングヒルでアングラアート三昧」みたいなことに参加するに際し、プラットフォームの参加者同士が早くアピールし合い、早く仲間を作り、早く評価コメントをもらえると、その安心感でさらに参加者が増え…という絵に描いたような評価経済の縮図機能。YouTuberが必死で撮影編集して最低でも1万クリックマネタイズと比べてどうでしょう。その中で使えるトークンのICO。こういうカテゴリーをなんて言うのかしりませんが単純に(分散型)ソーシャルトラベルとか言うのかな?

こういうビジネスをICOするという発想のないボンクラ脳にとっては大いなる刺激となる情報の一つでした。IPOと違ってICOはブロックチェーンのお陰でベネフィットを分配しやすいので未来で起こり得る要素や希望、願望が描かれていて読んでいて面白いですね。

これからPallyのようなサービスで埋め尽くされることを想像し「こりゃタモリ倶楽部のネタみたいな人がフォーカスされて、見て笑ってた側が笑えない時代になるのかなー」なんて妄想していました。むかしハワイに面白いガイドさんがいて「次の角を左に曲がります。そこに白い猫います。可愛いですよ」という案内を思い出しました。「次の角を曲がると子育て中の猫の家族がいます」というと本当に子猫がいる。一見なんでもない、どーでもいいようなことですが、それだけ知り尽くした案内がマネタイズネタなんですね。

大妄想ですが…ハワイはTikicoinで、メジャー観光地で使えるTravelerscoinとか、アウトドア系で使えるAdventurescoinとか…それぞれ中身が可視化されて信頼できたとすると、レート換算してハワイで残ったものをアジアやヨーロッパ旅で交換するとか。すると…コインと呼ぶ必要はありませんが…温泉地、お城、離島、祭り、古刹、景観(登山者の多い山とか小京都括りとか)、なんでもかんでも束ねて極めて小さな商圏から世界をカバーできるトークンまで…妄想し過ぎですが可能ですよね。

昭和のTVCMに「人類皆兄弟」というのがありましたけど、Pallyのマニュフェストに「In a world where technology is beginning to erode the concept of ‘the stranger…」と書いてあります。「テクノロジーが知らない人という概念を侵食しはじめている」と。ワクワクするやら恐ろしいやら。どこでも、だれでもグローカルです。

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既に終わっているFujinto Tokenもホワイトペーパーを斜め読みしました。大概の場合ICOが終わるとHPの動作が緩慢になって見づらいというのが不親切を超えて怪しさを一層盛り上げる要素に感じておりますが、このトークンのICOも成功裏に終わったみたいです。日本のICOだったんですね。決済サービスが売りですから暗号通貨の機能をそのまんま応用に見えました。

潜在パートナーとしては負けず劣らず大手有名どころがズラリ。バスや鉄道会社を軸足にピックアップされているのはコネクションでもあるんですかね。余談ですがホワイトペーパーで必ず見るのがチーム紹介のリンク先となっているLinkedinです。このリンクがない時は一応ググりますが情報が薄ければそれ以上読みません。それだけ顔の見えるWebの使い方へ移行しているとも感じます。

Fujinto Tokenはとりあえず和製観光産業用決済マーケットを手のひらに載せた感じですかね。

追記 – 一部でFujintoが音信不通なので結果としてはscam(詐欺)かもしれないという記事がちらほら見られます。私は参加していませんが終わった後のHPを見て一瞬不安が頭をよぎりました。とにかくホワイトペーパーを読み込んで関係者の素性を把握する必要があります。結果は分かりませんがパートナー企業として実在する大企業名が載っていてもやられます。(2017.10.02)

Fujinto (NTO) ICO 評価と詳細 | ICOholder
Fujinto (NTO) rating 2.4、ICOの詳細、ホワイトペーパー、トークン価格、ICOの日付、チーム、ロードマップ、財務データおよびレビュー - 交通機関や宿泊施設の予約ウェブサイトの...

日本でICOする時の優位性はリーガルな日本円の価値が持つ安心感が加味されそうな気がします。その中身は「made in japan」の価値を履き違えそうです。例えばロシア発のICOに参加するとルーブル価値のバイアスで「このICOに参加して大丈夫かな?」と根拠なき心配が頭を過ぎりますが日本円だと「アジアで一番発展した日本円の国」と勝手に結びつけて考えそうです。

お金が全世界からトークンエコノミーへ集まる現象。各国ともICO規制に乗り出すのもわかるような気がしますが、是非とも突破し大破して有用な事例を生んで欲しいものです。

GDS参加航空会社が一丁前のような図式やスカイトラックスの評価などあらゆる領域がオセロゲーム化すると思います。全てはスケール、ルール、レーティングなどが不透明な情報が増えすぎた反動が信頼可視化サービスへ拍車をかける燃料。書き手の顔が見えない根拠の薄いまとめサイトが賑わうほど燃料満タンの図式ですね。

未来の若者が旅行業に就職したいと思う動機は私の時とは全く違いますね。詳しくは別の機会に。そもそも旅行会社という体裁が残るかも怪しい。ポケマルのような店舗無き農家が伸び、Amazonに駆逐される書店。街の様子が変わるわけです。

入社して企画してヒットする商品を手がけるにはそれなりの知識や経験が必要で、作っても催行されない屍ツアーを山ほど経験しました。そもそも旅が好きで業界に入って旅が嫌いになるほどデスクワークの多いこと。

それが訪日客の好みをAIリサーチして自分でツアーを幾つか考えてスマホでポン。そのうちNTAの平田さんのような人気者が現れて予約待ちとか容易に想像できます。YouTuberと似た図式。仮想通貨の決済導入なんて小さな話し。

くだらないことを色々と書きましたがこの中ではPallyが面白そうですね。既存サービスと違う経済圏を作り、その経済圏に乗っかるプレイヤー自体がICOに参加する個人そのもの。今は各産業毎にトークン集金できる大チャンスなんですね。しかし、たかが4案件見ただけの話しです。Pally以外は前座見習いか前座の印象でした。簡単に言えばOTA業界のメリットは感じるけど消費者(社会全体)のインフルエンスは低い印象。将来「あの時あんたの目は節穴だったな」となるかどうか。今後も時々チェックしたいと思います。

徹底して眺めると単に仮想通貨で決済楽チンぐらいでは脳が反応しなくなりますね。それは単なる仕組みで、その先の複数の仕掛けとさらに先の姿が妄想できた時ICO参加のスイッチが入るような気がします。釣りに例えるとカワハギ釣りみたいな仕掛けにして釣れた後の料理までイメージしている感じ。観光産業でこれですから他の業界でもお宝がありそうです。

個人的には投資してる場合ではありませんが一般向けトークンセールは最初の24時間とか1週間だとベネフィットが厚いので参加するなら早い方がお得ですが、成功するかどうかはわからない。たぶん殆どのICOが頓挫すると思いますが始まったばかりですから目を凝らして見ていると、そのうち真打が出てくるかもしれませんね。

自分の鼻が利く業界のICOを見ると地球全体の未来が妄想できて面白いです。

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