They don’t even understand how the industry works.

ICO
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今回は旅ネタです。1/29日にSkiftから面白いメールが届いていたので少しメモしときたいと思います。

簡単に言えばICO参加のアドバイスが書かれていました。

Tales From the Crypto: The Wild World of Travel Blockchain Startups

Skiftというのは旅行業界の情報ウォッチャーなら誰でも知ってる会社ですが、旅行に関係することは片っ端から情報として取り上げてくれるのでメールが届けばチラチラと見るわけですが、今回の内容はズバリ「Travel Blockchain Startups」というタイトルだったので、早い話が「旅行系ICOどうよ」みたいなことで斜め読みしましたけど、バッサリな切口が面白いです。

Could Travelcoin, OjutCoin, TravelChain, Pallycoin, or Lockchain redefine the travel industry? Well, no.

既に終わったICOもあれば最中もあり、幾つかはここでもメモしましたけど「トラベルコイン、OjuTコイン、トラベルチェーン、パリーコイン、ロックチェーンで何も変わらんよ」と。文末はキッパリ「no」と書いています。なかでも「OjuTCoin」はどうしようもないと書いてあります。これは第3回わらしべコーナーのおまけネタで触れた通りです。そのコインのICO参加者がいらして、嘘か真か62%達成と出ていますから…ダメだこりゃです。

第3回 わらしべ長者的メモ「動かざること山の如し」 – en1

その他「ExploreCoin、BitAir、TrafficX、Fujinto、LockChain、TravelFlex、CryptoCribs」と聞いたことがあるような名前がバンバン出てきますが、ザックリ言えば「どれもこれもトークン投資(投機)だけ」みたいなことが書かれていました。全くもってその通りで「 They could make their creators rich, of course, if enough people who don’t understand the travel industry decide to invest.」ということですね。やはり少しでも業界の中身を知っていると「IATAだってブロックチェーンは取り組んでいるのにBitAirが頑張って傘下の航空会社と繋がる根拠はゼロで、絵空事上手だなぁ」ってことになりますが、ただの旅好きから見ると「便利かも〜」なんて気持ちになるのは分かります。

で、まぁ、少し贔屓目に見ても正常運転に近いのは「Winding Tree」ぐらいで、それでもtraditional distribution giantsと戦って勝算はあるのかみたいなことが書かれていました。これを書かれているライターは業界のことをよくご存知のようですが、少し保守的な感じもしますね。

反論する気はさらさらございませんがPallycoinのようなC2Cが稼働し始める可能性はゼロでは無い、というよりもその可能性が高まる時代へ向かっているので完全否定は出来ませんが…どっちにしても現在の常識でICOは有象無象だらけということは事実です。

で、最近の風潮が3ポイントにまとめてありました。

◾️安く買って売却益でまともなコインを買う(investors can sell them, and buy more established coins)

これは旅行業界ICOに限りませんよね。で、投機としては有り得る手法ですが、仮に本気で世界を変えようとしたICOがあっても投資としてみてもらえなければ結局はゴミトークンと化して真価すら見抜けずに消え去る可能性もあります。つまり目先の利益が大好きで草コインみたいな話しばかりになると、上場直後の頭で売却されてしまうのでICOが成功する可能性自体を投資家&投機家が潰していることにもなるということなんでしょうね。まぁ、これは株式でも似たり寄ったりの世界ですね。

◾️憶測による記事広告にやられてる(shoddy reporting and rampant speculation)

いわゆる記事(のような)広告というやつですね。記事広告というのは例えて言えば中川家さんの青汁ネタみたいなことです。書き手はプロですから話半分で読まないとダメでしょうね。しかし従来のマスメディアも儲かれば何でもするというのはてるみくらぶ事件の新聞全面広告で見て取れるわけで…「そうなったら凄いけど、本当にそうなるのかなぁ」ということは自分のアタマで考えることですね。

◾️手っ取り早く安価な宣伝方法はブロガー(pay a blogger to write a story on a reputable news)

これもICO本体が翻訳協力者募集というお題目で結果アフィリエイターが登場することもワンパターン化しています。それ自体は作業対価と考えれば問題ないことだと思います。ちなみに以前「Winding Tree」について珍しくゴチャゴチャと書きたくりましたが、頼まれていませんし、頼んでもおりません。好き勝手書いただけです。でもね、あれを書いた後でご本家とおぼしきアクセスもチラホラ見受けられ、概要に日本語が加わりました。たぶんアクセスを見てますよね。

私が書きたくったような内容というのは酷いもののお手本で、最低でも「直訳&私見ゼロ」の透明性がないとバイアスが働きます。更に、宗教化したブログやYouTuber信者で自己判断力が低いと事故が起こり得ます。しかしブログというのは私見の塊なので鵜呑みにする方も意識を変える必要がありますよね。

ということでまとめると「ICO参加は自分で理解できるものにすべき」ということだと思います。つまりタイトルの「彼らは業界のことを分かっていない」というレベルのICOに参加しちゃダメよ、ということですね。

もはやICO以前の問題で、知らない人が知ったようなサイトを作ってICOし、もっと知らない人が他人の意見を参考に参加すればICOが九分九厘失敗するのは当然ですね。その残りカスを草コインといってプロセスを知らずに他人の意見で漁るのですから大事なフィアット通貨が飛ぶように消えるわけです。

で、ICOとはちょっと離れますが、昨日YouTubeで「儲かったよ」動画を見ましたが、よくよく見ると「その時期にその取引所はまだ存在してないけど、単に言い間違えただけか、わざと適当なことを言ってごまかしてるのか….」みたいな情報です。それを見た方のコメント欄にツッコミが無いということは真に受けて聞いて事故っても自己責任で済ますわけですから先に触れた通り「話半分で聞く」というのが基本ですね。

で、ここから下はおまけメモですが…

ちょっと旅の計画中で久しぶりに色んなサイトを見ておまりす。まもなくWinding TreeのICO本番ですがOTA(Online Travel Agent)を使って喜んでる場合ではないというのは以前に触れた通りです。エクスペディアやプライスラインを使うとガッツリ手数料を取られているのに、もはや他のサイトと比べる手間暇を敬遠したくなるほど乱立しており、それをまとめるようなトリバゴもエクスペディア系なので、どーやっても日程のどこかにOTAが絡んでくるということです。

そこで計画をした足跡を辿ってみると…

  1. 目的(地)を決める
  2. 目的地行きの飛行機を予約(メジャー航空会社をネットで直接予約)
  3. 現地ツアー手配(現地へ直接予約)
  4. 現地飛行機を予約(LCCをネットで直接予約)
  5. 現地飛行機を追加予約しようと思ったけど保留(マイナー航空会社)
  6. 日本発着飛行機を予約(LCCをネットで直接予約)
  7. 日程最初のホテルを予約(booking.com)
  8. 大多数のホテルは保留(複数OTAサイトでお気に入り登録状態。もちろんAirbnbもチェック。)
  9. 全く予約不能の行き当たりばったりな日程も多々

日本の旅行会社は一切経由していません。敬遠する気は無いのですが同じサービスで価格が違えば安いものを選ぶのは当然で、特に航空運賃についてはてるみくらぶ利用と違い、キャリアに直接予約して倒産すれば、それは打つ手なしということです。

複数サイトから最適価格で買うと、価格は抑えられても予約の一元管理はできません。記録がバラバラになる理由はコアとなる情報集積場所が無く、全世界のシステムもバラバラで、更に言えば既得権益を持っている会社がワガママを通しやすい環境だからでしょうね。だからOTAは一歩有利なわけです。

で、この流れはOTAサイトで管理できるわけですが、これは私のエクスペディアの管理ページです。概ね全体が見渡せるような作りです。あくまでも「ような」だけですが、ホテル予約(だけの)サイトと違って前後の情報に辿り着きやすい工夫は感じられます。

エクスペディアの予約管理画面。全部管理できる。

ただ、先に自分の足跡を書いた通りエクスペディアで全てを予約していないので、一部予約だけだとレコメンド(機能)が9割は的外れでした。モノではないのでアマゾンのような「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」というわけにはいきません。必死で個人情報を掻き集めて売り込みしてくる航空券、ホテル、ツアーが実際の日程と全て違います。でもエクスペディアで予約していないので運営にも分からない。

ここでオジサンが妄想した仕組みは「とにかく自分が計画している国名、地名、日付を入力する。話はそこから」ということです。

入力したことに対してはシステムもAI抜きにして正しくレコメンド出来るはず。ただ問題は、その旅程が手配できる会社同士のサービス連携がない場合レコメンドも出来なければ代替案も的外れ。これをどうやって解決すればよいかを考えていたのですが、それはエクスペディアのような「独占的この指とまれ」では全く機能しません。あらゆる企業がシェアできるプラットフォームがあり、その使用料も極めて低コストで、そこで何もかも揃うという状況が必要ですよね。つまり早い話が「Winding Treeが提唱しているようなことになると消費者としてはありがたい」ということです。

求められるサービス、爆発的に普及するシステムというのはパッケージではなくオリジナルカスタマイズです。もちろん「旅の計画は自分で作る」ことが当たり前でなければ成り立たない話ですが、50歳以下であればストレスなく立ち向かって当然でしょう。

つまり日程と目的地を打ち込んだらフライト提案され、フライトを組み込んだらホテルが提案され、ホテルを組み込んだらツアーが提案されるような逆思考にしたら、それは超絶便利で全世界がユーザーになるような気がします。それがAI化でレコメンドされると、次の利用者は真似して計画できます。当然こうなりますとグーグルフライトの延長みたないことで、手配に人間不要です。

仮に日程と目的地を入力したら、検索結果に「飛行機を3回乗り継ぎ」とか出ると「ここまでして行かない」と即決できますが、今はいちいち飛んでいる航空会社やルートを調べまくった結果「この計画は無理だなぁ」なんてことになるわけですね。それを調べる時間たるや(旅の計画は楽しいとは言うものの)無駄だらけです。結果行きませんから。

さらに面倒なのは変更とキャンセル。手配がバラバラだと全体を俯瞰して見られないのでミスしても気づけないことも有り得ます。やはり1箇所で管理できる便利さは捨てがたい。

追記 – 2018.02.04

バラバラに手配した旅素材をひとまとめにしてくれるTripCaseというのを試してみました。もう3-4年前からあるサービスですが…これの前置きを書くと長くなるので手短に、アメリカン航空のGDSのエンジンに相当するSABERが提供するアプリで、SABERを利用する航空会社、ホテル、鉄道、クルーズ…というのはシンクロし、それ以外の手配も読み込んで旅程表を作ってくれます。

で、この手の類似品は「ViewTrip」や「Check My Trip」が有名で、早い話がメガ航空会社傘下のメガGDS傘下は、それぞれの類似品を持っているということです。

その中身はホテル予約サイトやエクスペディア等で手配した予約確認メールを自分のTripCaseにメールで送るとバンバン日程が組み立てられるという代物です。AmazonのアレクサやUberにも連動しますから、旅のお供にAlexaを持参してネットワークにつなげれば漏れなく全世界で日常のような旅ができます。オフラインになればアレクサは死亡ですがTripCaseは見れます。

一家に一台「スマートスピーカー」や「ロボット」という時代へ

これはオジサンが妄想した逆バージョン。入口で獲物を捕まえるのではなく出口で捕まえるパターンです。たぶんこのビジネスのメリットは入口で捕獲できなくても、最も大事な「ビッグデータ」を搔き集める点でしょうね。ただ、全てが生き残るのは難しい気がします。例えて言えば今の入口はエクスペディアとプライスラインで出口はこの手のサービスですが、未来は入口から出口までブロックチェーンで作られたプラットフォームで完結だと思います。事と次第によってはメインプレーヤーが入れ替わる可能性もありそうですね。

途中まで使って「なるほど。別にそこまでして全データあげる義理も無いしパス」と思って止めましたが、計画通りに進める旅では有用だと思います。もはやブロックチェーンを利用しなくても個人情報は吸い上げられまくっておりますが…どう考えてもブロックチェーンに参加してサービス提供した方がユーザー体験が向上することは間違いないでしょうね。

今回旅を計画している場所はネット環境も良くないので「手続きはオンラインでも、予約記録はオフライン確認できると有難いけどなぁ」なんて思っていました。そうは申しましても現時点でスマホのアプリで予約確認でき、航空券や搭乗券として使え、ウォレットにはクレカやマイレージが登録出来ますからそれだけでも格段の進歩なんですが…どう考えても色んな仕事は消える運命ですね。

テクノロジーの進化って本当に凄まじい勢いですね。どこぞの経営者の言葉ではないですが「それは社会全体、地球市民にとって価値あることなのか」が大事なんだと思います。

手数料ビジネスの旅行業界に一石を投じるWinding TreeのICO – en1

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