一応メモしますかね。土曜日ですし。
やはり額が大きいので騒ぎにならないはずがありませんが、なかなか大規模な事故ですね。
仮想通貨界隈が成長した故に時価総額も膨らみ被害も多かったわけですが…一番興味深かったことはツイッター。貼りませんけど中身は「当サイトでは仮想通貨のリスクに深く触れずにコインチェックの登録の流れを掲載し…お詫び申し上げます。」。
情報格差がある中で、更に実態が見えない技術を説明せず、説明できず、使い方でアフィリエイトするという流れだったわけですが、それが良いとか悪いではなく…この数ヶ月で強く感じることは世代間で情報操作は大きく違うということですね。圧倒的スピード感で情報を振り回せるのが30歳前後でしょうかね。若さの特権でもあります。
しかし普通に考えて「××銀行での口座の開き方」とか書くのは海外口座ぐらいのことですし、如何にアフィリエイターがウハウハだったは推して知るべしですね。
それはともかくとし、昨夜未明の記者会見が全てを物語っていたような気がします。会見での質問の大半が「どーでもいい内容」に感じました。事件性を追求する雰囲気は感じられましたが問題のポイントを突いていたのは1人ぐらいでしたかね。どのメディアの質問内容もツボの外し方が的確。で、正に市場参加者もこのレベルなんだろうと思います。ざっくり言えば全体の1割が辛うじて理解しているけど多くの人がポイントを掴めずに浮遊中。どこで見たか忘れましたが仮想通貨に関わりのない方の発言として「NEMに関しては価値が無いと断言できる」的文字も見ました。まだまだ伸び代がありそうですね。
で、今の日常は「銀行=お金を預かってくれる場所」的感覚がこびりついていて、その感覚を引きずったまま「取引所=仮想通貨を預かってくれる場所」の人だらけだったということでしょうね。自己責任というよりは単なる管理の話しです。あまりにも平和な国の常識が通用しないのが仮想通貨界ですね。どちらかというと「タンス預金的仮想通貨管理」が常識ですが、通貨によっては移動に時間がかかり「今すぐ手に入れたい or 手放したい」という時にウォレットに入れていると不自由なので取引所に置いていた方も多いと思います。その気持ちは分かります。
よい勉強になりました。
で、かなりザックリと書けば、最大の悪人はハッキングした人で、その次がコインチェックさんですよね。事件が発生したであろう艮の刻から約12時間後にはNEMの協力関係者が動き始めて犯人のウォレットをマークし、約20時間後に会見があり、約27時間後には財団がツイッターで「フォークはしない。盗まれたブックチェーンには足跡が付く」と発表しました。おそらくネム財団も徹夜で対策に追われていたと思います。
I’ll upload the interview shortly but want to share the following:
1.) NEM will not fork.
2.) XEM (as well as any coin) is tracked on the blockchain. We can see where the hacked funds are and flag the accounts. What we cannot do is alter/disable the funds.— Inside NEM (@Inside_NEM) 2018年1月26日
失われたものが戻るかは不明です。ある意味当然ですね。しかし、まずは「盗まれた通貨だ!と気づける手は打った」ということです。つまり倫理観の高い取引所であれば盗まれた通貨を流通させることを封じると考えるのが普通でしょうね。もちろんトラブルに巻き込まれた渦中の方を思うと少しでも善処されることを願うばかりです。
これ、人によってはネム財団の自画自賛的フローにも見えると思いますが、同じことが草コインで出来るかと言えば、殆ど有り得ない話しだと思います。その他の有名な仮想通貨でも難しい話しだと思います。というかNEMで起こったことが不幸中の幸いとも感じます。そもそも警察の出番すら一切ナシ。「初動が大事」とは言っても凄まじい処理スピードと連携です。仮想通貨界で起こることは常にこのスピードですね。ファウンダーのジェフさんも疲労困憊のご様子です。この動画などを見ますとね、コインチェックさんの対応は他人のものを預かる立場にしては対応が杜撰としか言いようがありません。
でね、以前にハーベストメモでも触れましたけど、チームNEMとそこに関わる人々の倫理観はかなり高いと思います。恐らく本気で世界を変えようと努力しているチームでしょうね。だからこそ価値を知っているネムラーはコインチェックの失態に嘆いたわけです。「最低限マルチシグ(ネチャ)だろ」と。仮想通貨の本質を知っている人ほどコインチェックの対応にうなだれていると思います。
なにより一連の流れで興味深いことは、フィアット通貨のような紙だと失った後にアクションを起こしても時すでに遅しですが、NEMのようにどこまでもセキュリティに気を配る仮想通貨だった故に利用抑制できるという、ブロックチェーンの優秀さ、NEMの優秀さを垣間見る事例ともなりました。これ、中央銀行だと私たちに見えない場所で何でも出来ますが、ブロックチェーンは書き換え不可で透明性を担保しながら事を進めてコレです。つまりブロックチェーンの破壊力は正しく使われたときにはとてつもない威力を発揮するわけですね。本当に驚きの仕組みです。
今はブルーオーシャン的時期で、特にアルトコインに関しては野放し状態なのでこの手の動画やブログがわんさか出てくるわけですが、オジサンから見てその手の記事はマッチポンプにしか見えませんが皆さま血眼になって良い情報を求めて彷徨うわけです。書かれる方の多くはデジタルネイティブ(に近い方)なので悪意が無いのですが鵜呑みにしてコケる人は「暴風説の流布」レベルになっちゃいます。昨夜も我先に間違った情報を膨大な文字量で流していた方もいらしたようで….。
私の親も時々ユーチューブのようなネット情報を見ているようで、たまに「あんた◯◯って知っとる?」と聞かれるのですが、その内容の大半は情弱ネタというのは言うに及ばず。どんなに著名な方の話しでも情報にはバイアスがあることを理解して参考にする必要がありますね。
今回の事件は「ビットコイン=仮想通貨」という認知レベルの人が一気に「ネム?!」というレベルになりました。ある意味リップルが銀行間送金に強いというオブラートに包んだ新聞社のニュースよりインパクトを感じます。2014年にマウントゴックス事件がありましたけど、そこから6年経過しても世間は「ビットコイン=仮想通貨」レベルだったわけで、GOXされて初めて「自分のアタマで考える」ようになるんですね。仮想通貨は自分で通貨を自己発行できるぐらいですから当然自己管理というのがよく分かってよかったのではないかと思います。
とにかく取引所に意味のない放置はダメということですね。
そして「2度あることは3度ある」です。
以前に書いたような気がしますが、例えばYouTubeも「sengoku38」というHNで尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件になった途端に認知されメジャー化の引き金になりました。それ以前はYouTubeなんて誰一人として見向きもされていなかったことを殆どの人は忘れてるでしょうね。今から10年前はYouTubeなんて無視されていたんですよ。でも国会でもキーワードが飛び交い、当然新聞やテレビが連日取り上げて一気に知名度を上げました。コインチェック事件も前向きに見たいものです。
さりとて失った方にとってはモヤモヤな時間が流れているわけですが、これもネムラーだから大人しくされているようなことでNEM以外の通貨で起こっていたら意味もわからずキレまくって怒号が飛び交っているのではないかと思います。もちろんどんなに冷静を装っても腹わたが煮え繰りかえる気持ちはお察しします。
ということで幸い事故に遭遇しなかった者ができることは、意味なく取引所に放置している通貨があればちゃんと財布に入れるというアクションですね。それにしても….送金手数料どうにかならんかな…。
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