水曜どうでしょう × 地球の歩き方「原付の旅 ベトナム縦断」

ありがたい一冊
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本日のメモは「幸福の黄色いハンカチ」を凌ぐ伝説のロードムービーと言って過言ではない「原付ベトナム縦断1800キロ」のメモです。

今となっては全国のローカルテレビ局で再放送されまくっているので買う必要がない「水曜どうでしょうDVD全集」の第一弾ですが、当時ぶっ飛んだ内容に度肝を抜かれた記憶があります。

(普通は出し惜しみする名作を1発目に投入!)

実はこのベトナム映像を見てからバカ藩士になったといって過言ではない、私にとっては水曜どうでしょうにハマったきっかけのDVDです。

その前に...

地球を歩けない時代のガイドブックの攻め方

言うまでもなくコロナ禍は「海外へ旅する」ことが強制的にできなくなりました。前代未聞。

日本は年の瀬でもコロナ禍が続いており、物価高騰のあおりで引き続き「海外へ旅する」ことが敬遠される傾向が続いています。エコノミークラスの航空券代金も前代未聞。

(4人家族で100万円超え!)

ルフトのお値段を覗いたらご覧の通り。ビジネスは来春以降752,000円設定。

ということで...

コロナ以前は「旅することが目的」でしたが、それが叶わない時代なので目的をすり替える必要に迫られたのですが、それをダイヤモンドビッグ社では大胆に叶えられず、株式会社地球の歩き方が奇妙な本を出し続けています。

旅の目的地情報を伝えることが目的ではなく、旅の前にワクワクしたり帰国後に懐かしんだりという知的好奇心を目的にしたり、今回のような他人の旅を取り上げたりと、あの手この手。 

それはもう無限のコンテンツ!豆知識のようでもあり、無駄知識でしかないようでもあり。

しかし地球の歩き方が売れ続けるためには、その当初の醍醐味であった「旅人の生の声、その熱量がいかに読者へ伝へられるか」というこに尽きると思います。そういう意味で今回のコラボ案件は正しく熱のこもった内容に間違いありません。

アナログ時代のポータル役が地球の歩き方だったのかもしれませんね。

「もう旅人の声なんてどーでもいいよ。ネット検索で最新情報を見るから」となれば、紙媒体による目的地ガイドブックという歴史は終わりつつあるというか、それをまとめられるポータルが日本には存在しないということなんでしょうね。

旅行ガイドブック「地球の歩き方」

これからの旅本は遊び方伝授がポイントに思います。旅は相対的な事象の連続なので気づいたら潰れたお店の情報を追いかけ回すような昭和スタイルの本は要らない。オプショナルツアーの宣伝も要らない。遊びの達人シリーズみたいなことでしょうね。

大人はサラリーマンを辞め、子どもはクラファンで金を集め、遊ぶ映像で稼ぐ人と戦う時代ですから、いよいよ遊び人が注目される時代がやってきそうです。

 

まずは「ホーチミン師」を聴きながら♪

「あれから20年」というディレクターの思いつきによるHTBの金儲けに踊らされて薄っぺらい本を高額で買わされたわけですが、水どうフリークには欠かせない、もはや国歌斉唱のような曲でも聴きながらお楽しみください。ご存知「ホーチミン師」。

いやー、この歌、懐かしいですよね。

この動画コメントにも書かれていますが設定で再生速度を「0.75」にするとニャンさんの歌う速度でお楽しみいただけます。

それにしてもさ、この動画をアップされた方の感性も素晴らしい。今から12年前にアップロードされており、再生回数は現時点で26万回再生の全世界で19位!

おそらく日本人に「ベトナムの曲で好きな曲を挙げてください」と尋ねたら、回答者できる人は水どう藩士だけで、その全員が「ホーチミンしー」と答えますよね。今回の発売を契機に再生回数が伸びるといいですね。

(そんな前置きはどーでもよくて...)

しかしさ、せっかくだからこの曲のルーツとか知りたいじゃないですか。そこで調べたらwikiに出てきた!せっかくなんでメモしときますが、自動翻訳ってありがたいですね。

Như có Bác trong ngày đại thắng – Wikipedia tiếng Việt

(ちょっとしたベトナム近代史を垣間見るお話です)

1975年4月30日にベトナム戦争が終わりましたが、その3日前の4月28日、21時からの「ボイスオブベトナム」というラジオ番組で「グエン・タイン・チュンというパイロットがタンソンニャット空港(ベトナム戦争中は南ベトナム空軍及びアメリカ軍の重要な軍事施設)を爆撃した」というニュースを聞いた作曲家ファム・トゥエンさん(Pham Tuyen)に音楽の神が降臨。

ファムさんはこのラジオ番組で、おそらく「ベトナムが勝つ」という確信を得たと思われ、21:30から23:00までの2時間足らずで曲を書きあげたそうです。

(よく聞きますよね。売れる曲は作曲時間が短い)

そして3日後。

1975年4月30日の正午にベトナム南部が完全に解放されたことを確認し、その日の午後にミュージシャンや歌手が集められてこの曲が録音され、続く特別番組で放送されたそうです。その後もベトナム勝利報道の度にこの曲が流れたそうです。

ということが下のサイトに書いてありました。

Chuyện ít biết về ca khúc “Như có Bác trong ngày vui đại thắng”
Chuyện ít biết về ca khúc “Như có Bác trong ngày vui đại thắng”

その時代を生きたベトナム人にとってこの曲は勝利の歌ということになります。日本は敗戦国であり戦勝歌モドキしかありませんが、ベトナムではかなりポピュラーな曲だそうです。

 

政府公安すら手玉に取り、テレビ、さらにはDVDで永久不滅の主役扱い!

さて、ここでガイドブックの売り文句を再確認。

トランシーバーを落としたミスターが一方的に発するダジャレ。突然のスコールに見舞われあらわになる「セクシー1号2号」。走行中のカブから鍵が落ちるという致命傷&ニャンさんによる驚愕の解決策……などなど、挙げればキリがないほどの数々の名シーンを世に残し、どうでしょうのラストランを飾ったレギュラー放送最後の企画「原付ベトナム縦断1800キロ」(2002)を徹底的に再現。さらに“使えるガイドブック”として現在のベトナムの様子も織り交ぜられており、過去にどうでしょう軍団が訪れたスポットとの比較を楽しみながら旅のお供にも使えるという優れものに仕上がっています。 

と書かれております。

何回見たかわからないベトナム縦断。

(もっと大事なことに時間を使え!)

どうしてこんなに何度も見返すほどハマったのか?その理由を考えたのですが、どう考えても「ベトナム」というチョイスにあると思います。真の背景は存じませんが、元々は鈴井社長の奥様であった副社のベトナムビジネスとの縁で採用されたと思うのですが、ベトナムを「縦断」という切り口でやらかすセンスは普通は思いつかないですよ。

ぶっちゃけ旅のプロでも思いつかないと思います。

(こればかりはマジで旅のカリスマだと思う)

やはり初期作品の「オーストラリア縦断」や「アメリカ横断」などの直線制覇の予行演習があってこその仕上がりだと思います。

これまたウィキペディアに書いてある通りですが、、、

今回のロケでは鈴井・大泉・藤村D・嬉野Dのどうでしょう班に加え、現地通訳の“ニャン”、政府公安(警察)の“タイン”、公安の通訳“フン”、現地ドライバーの“ホアン”の4名が参加。計8人の大所帯となった。これはビザ申請の際、「ベトナム政府の公安をロケに同行させる事が絶対条件」とされたためである。

こんなややこしい手配が必要なロードムービー、過去のテレビ番組で見ないですよね?

誰も知らないでしょ?

そうなんですよ!誰も知らなくて当然なんです。

水曜どうでしょうファンにとっては当たり前すぎて盲点ですが、政府公安のタインさんが同乗し、時にはカブを運転してロケ車を先導する映像って極めて異質。

それまでのテレビ番組であれば、公安のシーンは見せないで隠すと思います。

私がディレクターだったら今までの常識で隠す。

でもそれを隠さないで、視聴者にも「そして今回、ベトナム政府の方からタインさんとホアンさん。よろしくお願いします。」と伝えて堂々と放送する。

(非常識が常識に変化する瞬間)

見てる私も水どうの魔力に麻痺して「へー、公安の人が同行、カブで先導してくれるんだ」ぐらいに思ってボケーっと見てるんですよ。もはやそれが常識になると普通に見れますが、「公安と一緒の旅」ってなかなか出来ない経験だと思います。経験しても放送しない。普通は隠す。

こんなこと書いちゃっていいかわかんない(といいながら書くが、)公安のタインさんも眼光鋭いオジサンですが、目尻のシワからどことなく苦労が表情に現れて「悪い感じはしない」と勝手に思わせてしまうほど日越友好な番組だと思います。

本職は公安なのに画面に映るはマッサージ師のタニンさん。

大泉先生の解説は「いやぁ、しかし、タニンさんに、ちょっと、軽くマッサージしていただいて、(それでまた)楽になりましたよ」というトーク。

ドリフのコントのそれじゃないけど取調室で容疑者の心を揺さぶるアイテムとして出前のカツ丼があるじゃないですか。そのカツ丼に相当するのがタニンさんという面白さ。

(マッサージさせるご存知!)

 

旅のカリスマによるパワーワードの数々!

DVD第一弾となるベトナム編ですが、第一弾に番組最終回をぶっ込んでくる感性って普通の感覚ではないですよね。一般的にはDVDシリーズとしても終盤にもってくるのが凡人。

なんで第一弾にベトナムという名作を投入したのかを考えていたのですが、たぶんディレクター陣(たぶんヒゲの方)の根拠なき自信によるところが大きいのでは?と察しました。

というのもベトナムは最終回ですから当然のように回想シーンが出てきます。

いやー、なかなか繰り出せない言葉の数々。

一般人が海外旅行で「ユーコン」はない。ドイツの手前には「ヨーロッパリベンジ」というキーワードで釘を刺し、日本人でも知らない人が多いであろう喜界島。こいつら何者なんだよ?というロケーションばかり。

「一致団結!リヤかー喜界島一周」なんて「黙って死んでいくぞ」のシーンをインサート。

今となっては天下の大泉洋氏が「黙って死ぬぞ」という過激なカットの威力たるや!

 

今となっては伝説の名機「DCR-VX2100」あってこその画力!

私もビデオカメラの面白さを知ったのはこの名機からです。このシーンはよくよく見ると後輪がパンクしており、中のチューブが引きずり出されております。あのシーンですな。

番組エンドロールでしたっけ?チラッと映ったコレね。ここから視聴者は確信したのです。「このカメラでアレが撮れるのか」とね。

そのころ世の中はまだユーチューブなんて話題になっていませんが、当時このカメラを手にウロウロする動画が流行り始めたのですよ。ホントに。

ビデオカメラはハイビジョン全盛の頃。それら最新のHDとかFHDビデオカメラを使っても、照明ナシの暗所撮影はVX2100にまったく敵わない時代でした。おそらくHDカメラで7ルクスなんて時代だったと思います。

番組内で何度か薄暗いシーンがあります。私たちがテレビで見ていると、確かにカブが夕方の薄暗い街を走っているように見えますが、実際の肉眼ではほとんど真っ暗なんですね。それがこのカメラだと捉えられる。そういうお手軽カメラにしては優秀な名機です。

VX2100の最低被写体照度は3ルクス。

そして割と最近の機種「 FDR-AX700」が同じ3ルクスです。

つまり約20年かけて「やっと暗さにも強いビデオカメラが4Kで撮れる時代になった」ということです。ですから、この20年間、水どうと似たようなことに挑戦しても暗くなると画質が見るに耐えないという状況でしたが、そろそろ暗くても愉しい時代ということですが、実際にユーチューブで画質を見ると、今でもVX2100が優っているように見えるのは私だけか...

 

本書最大の見どころはトークマップ(だと思う)

私がもっとも食い入るように眺めたのが下ページ。みなさまもそうじゃない?

藤やんとご存知の掛け合いが、言葉の抑揚と共に思い出されます。

ニャンさん : 道を間違えました
藤やん : 道を間違えましたぁ 

藤やん : ついてきてくださいよ
ご存知 : ついていきますよ

ご存知 : ミスターはちゃんとカメラに映る所にいますよぉ
藤やん : はぁい、ナイスポジションです

こういった掛け合いが暗闇の中で繰り広げられていたわけですが、すべてが懐かしい。それぐらい見た番組です。これがラストランのホーチミン市内編も載っております。

そして最後に藤やんが感極まって泣いちゃうというね。

(ネタバレしすぎるのでそちらは載せません)

 

やはり藤やんは感性の鋭い人(なんだと思う)

これだけ書いといてアレですが、(前にも別エントリーで触れてると思うけど)私の水どう人生は初めてのアフリカが最後でして、それ以降は新作を1度も見ておりません。

別に避けてるわけではないのですよ。

人生はいろいろございまして、新作があることすら知らずに過ごしているのが、ここ5-6年の私ですが、この本のp.70に「嬉野雅道が振り返るそれからのどうでしょう」というコラムに面白いことが書いてありました。この内容はネットでもチラッと見た気もしますが...

ぼくは気分が高揚していたのです。12年ぶりに「4人だけの旅」という時間と空間に帰ってきたのだと、ぼくの肉体が安堵し、悦んだ時間だったと思うのです。...中略...「ガイドのよしに会いにユーコンへ行こうよ」と提案していた藤村くんのプランを「いや、もういいかげん4人だけのロケがしたいよ」と...

これ、アイルランドに行ったんですね。

(私、いま初めて知りましたけど...)

この文章を目にした時「やっぱり藤やんは持ってるな」と感じました。

これ、撮影が2018年のロケで、それを2020年に放送したそうですが、あの時にユーコンにしていたら完全にアウトドアブームに乗っていたでしょうし、コロナ禍でも別の展開が予想できます。

が、「21年目のヨーロッパ21ヵ国完全制覇」も面白い出来上がりになったそうなので、それはそれで結果オーライということで。久しぶりに息抜きさせてもらいました。

ということで、DVDは32弾まで到達したんですね。下の画面は私のスマホの中ですが、「ザ・ベスト」は興味がないので29弾から32弾へ飛んでおります。

できれば寅さんのように50話を超える歴史を作って欲しいですね。さすがにその辺りで1人死に、2人死にもありそうで、そうなると寅さん同様に懐古な話にもなりそうですが、いつまでも楽しませてくれる人たちであってほしいと思います。

コロナ禍が収束し、ワクチンの接種回数だの、待機期間だのと言わずとも、ふたたび誰もがいつでも自由に外国へ行ける日が訪れることを切に願っております。

ベトナムをご希望の方は、このガイドブックを手にお出かけください。

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