世界大恐慌 – 1929年に何がおこったか

ありがたい一冊
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今年になって私が日々使うPCの視界内に常時置いてあった縁起のよいタイトル「世界大恐慌」の本。いつか読み返そうとおもいながら放ったらかすこと5ヶ月。いよいよFOMCの利上げ爆弾が炸裂し、株は1日に13万下げたり上げたりの大忙し。このままだと大惨事のまま来年を迎えそうなので重い腰をあげましたが、このを本を読むのも何度目か…。

しかし、まぁ、なんです。

なんやかんや言っても2022年5月現在の日本はそれ以前の日本となんら変わるところなく平穏な空気が続いているように見えます。欧州で光熱費が暴騰しようが、ウクライナで人が死のうが、北米が天候不良で農作物が不作であろうが何ら変わっておりません。

少しだけ変わったことは1ドルが130円になり日本人の資産が順調に減ったぐらい。

とりあえずドルの価値が戻ってるような雰囲気ですが、本当に価値が戻るかどうかはこれからのお話。そうこう言ってる間に、その日が突然やってくるのかもしれません。

(世界大恐慌)

さて、「大恐慌」意味は知っているようで意外と知らないことが多いのですが、下のサイトでは当時の写真をわんさか眺めることができます。たしか子供を売りに出すような写真も見た記憶があるのですが、まぁ大変な時代であったことがよくわかります。

大恐慌 ストックフォトと画像 - Getty Images
ゲッティイメージズで、大恐慌のストックフォトやニュース写真を見つけましょう。プレミアムな大恐慌の高品質素材点のなかからお選びください。

 

93年前の社会と今を比べてはダメですが、写真から直感的に受ける印象はこんな感じ。

仕事がない、家に住めない、デモや暴動が起こる、食料が(足り)ない

歴史は繰り返すのでまた起こると思いますが、グレートパニックに似た言葉で最近の流行語がマスコミでは一切語られることのないグレートリセット。ちなみにグレートリセットは陰謀論とかではなく普通に会話されている内容で、企業ホームページにも淡々と載っているぐらいの常識。

はるかローマクラブから続く…割愛。

「グレート・リセット」で変貌するコロナ後の世界と経済 ステークホルダー資本主義の観点から展望する 【前編】「グレート・リセット」の真意とは――人々の幸福を中心とした経済へ - Executive Foresight Online:日立
世界の政財界を代表するリーダーが一堂に会する世界経済フォーラム(WEF)の特別年次総会は、「ダボス会議」として広く知られている。2021年はパンデミックの長期化により開催が見送られたものの、そこで掲げ...

その話はさておき、久しぶりに読み返しながら「確実なものは何もない。不確実な日々を力尽きるまで泳ぎ続けるしかない」とか思った次第です。

話を戻し、以下「ふぅ〜ん」と思った一節。

P11 : 先回りをしてアメリカのドル体制は終焉を迎えたとする見方もある
P30 : 流通通貨量の二倍もの損害額
P46 : 債務国に転落したイギリス
P50 : 金本位制参加国は金不足の国内経済調整が必要になる
P55 : 公定歩合引き上げの影響でヨーロッパからアメリカへ資金が流れ込むようになった
P61 : 金本位体制の枠組みで一国が拡大させると、その国の物価だけ上昇しインフレになる
P86 : (恐慌時の人材は)買い手市場
P91 : フォード工場従業員は1929年3月に128,000人いたが翌年9月に37,000人に減った
P94 : 都会へ流入していた人の流れは止まる
P95 : 結婚率も、出生率も劇的に下がった
P115 : 大恐慌下では激しい物価の下落、なかでも農産物価格の幅が大きかった
P140 : 銀行倒産6000行(年平均600行)
P218 : 就業促進局新設
P289 : 金の生産が物資の生産にともなって増加せず、一般物価が低落する傾向

 

久しぶり読み返すと不景気な時は「毎回同じようなことを思ってるんだなぁ」としみじみ。

時代は本など読まずとも動画でサクッと。

 

 

冒頭の「ドル体制は終焉」なんて過去何兆回と言われてきたセリフですが、大恐慌時と今では市中に出回っている通貨の発行規模がケタ違いすぎることと、最近なにかと話題のディープステートのような陰謀論ネタがない時代のお話。

巷では上海ロックダウンも新旧政治派閥による対決や独裁者であり続けるための引き締めで、自由経済地区を兵糧攻めで都市ごと叩き潰すなんて話は完全にそっち系ですが、そんなことは微塵も関係ない上海庶民にとっては迷惑な話で、事は生きるか死ぬかの状態でも都市封鎖は継続中で、これが続くと米ドルへの打撃に一役買っているというストーリーが「まぁ、確かによく出来た話だから信じるのかなぁ」とも思います。

(しかも中国は秋まで続けると言ってますょ)

それにしても上海のロックダウンは規模が違うので、アメリカで起こったら内戦が起こるんじゃないかと思うぐらい酷いことが進行中。

ディープステートの話って「意味は理解できるけど、地球サイズの仕掛けを理解して実行してる頂点人物は人間じゃないよなー」とか思う今日この頃。

話を戻し、「もし恐慌が起こったら」と思って備えても自分だけが生き残り、豊かな人生を送り続けられるわけもなく、大事なことはお金と自給のバランスかと思います。やはり今は生活が大都市とお金に偏りすぎてますよね。

国家国民の両方共に器が小さい営み。

そして大なり小なりの不況や恐慌が起こるたびに「就業促進局」のようなハローワークが出現しては適材適所など一切関係なく社会維持の都合で「働けることをありがたいと思え」的なチームが生まれるわけですが、今の日本だと2025年に32万人、2040年に69万人に不足する介護職が濃厚でしょうね。

(労働)人口が減りながら、マーケットが縮小しながら、国内市場での売上頭打ちが見えていながら人間は確実に歳を重ね、老いて、動けなくなる日がやってくるのですが、その方々を介護する人が32万人も足りないってね。

しかも2025年、大阪・関西万博開催の年です。

与党の新憲法草案などを眺めますとね、ほとんどの人がスルーしてる項目に「家族の助け合い義務」というのがあります。書かれている内容は「家族は社会の自然かつ基礎的な単位として尊重される。互いに助け合わなければならないと規定」とあります。

これを見るたびに「最小単位は家族ですよ。親と離れて暮らしていても親に問題が起こったら居宅介護ですよ。介護が終わった独身は単位ではないからカウントせんよ」と読み取っております。

それは殺伐とした時代であり日本人としてのアイデンティティを問うには遅すぎることになると思います。

ちなみに後ろに写る本「大暴落 1929」は発端となった金融側の裏話が日時までばっちり詳細に記されているので、1世紀内に起こったノンフィクションといっても時代小説のような感覚で一気に読めちゃうのが良いのか悪いのか。

ちなみにこの本で記憶に残る一節は「大恐慌は…10年続いた」です。

2022年5月の世界は恐慌前ですが、世界が驚くような、歴史にない為替や株価推移を経て、ある日ズドーーーーンと大事故が起こり、そこから10年耐え忍ぶ必要があるんですな。

氷河期世代の非正規が忍耐強く、正社員の庶民がポンペイ遺跡のようになることだってあるわけで、その殺伐とした時代を生き抜くには文字通り自分を変える必要がございます。

 

 

なにせ100年に1度の世界同時「お金って価値ないし、幻想よ〜祭り」ですから、その時代を生き抜くために「稀少価値という意味ではゴールド買う?」と思ってみたり、「空気を売るサービス業ではなく、物理的生産物が大事。少なくとも日々の生活の糧として」とかね。

 

この話はアメリカが発端の昔話ですが、当時と状況が違いすぎておりまして…

意外にも要注意な場所は「ウクライナ、ロシア、NATO」などではなく「アメリカ」だと感じております。なにせアメリカ人はスマホ2台持ち感覚でピストルも2丁持ちが通常営業なので、国民のストレスが爆発すると収拾がつかなくなる危険性を秘めております。

 

さて、最後に少し有名な話が分かりやすく書かれていたのでご紹介。

 

P292 : 公債発行は、「ひとまず日本銀行をして引き受けしめ、市場の情勢を察して適宜これを売却せしめ、また市場の形成によりては随時これを買い入れしめ、いわゆるオープンマーケットオペレーションにより金融の統制を行う」ことができる。それによって極端なインフレーションを生ずることはないであろう。ただし、公債発行にも限度がある。1935年には高橋ここう述べた。「もし今後において公債が一般金融機関などに消化されず、発行公債が日本銀行背負い込みとなるようなことがあっては、これは明らかに公債政策の行き詰まりであって、その結果としてはいわゆる悪性インフレーションの弊害があらわれ、国民の生産能力は消費力とともに減退し生活不安の事態を生ずるにいたるおそれがある」。 高橋是清にとっては、公債の日銀引き受けは「時限的な政策であり、早晩修正するべきものだった。

 

そして別の折に語られた言葉として有名なのが「公債発行の限度というのは、国民が公債を咀嚼する力である」という一文。

私は甲斐性のない独身ですので咀嚼力はございません。

咀嚼力のある方、ニッポンをよろしく。

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