参院選に見る世代交代劇 : なんで山本太郎さんのトークは心を揺さぶるのか

本日は山本太郎さんに見る日本の政治変化の兆しメモですが、特定政党や政治団体を祭り上げるようなことではございません。あしからず。

政治も(たぶん)世代交代のゴングが鳴った

テレビを持たない生活なので先日メモしたカメラレンズ購入の下見専用家電量販店でしか知り得ないことなんですが、店頭のテレビ画面で幸福実現党のインタビューを見て「ん???(今までガン無視だったのに)ぼちぼちそーゆー時期になってるの?」と感じたものの「へー」ぐらいの印象だった今回の参院選。最近出入りしている病院に置いてある新聞やスマホ画面で立候補者の年齢を追いかけると、少しずつ私の世代が動き始めた印象を受けました。基本的に玉突きですから当たり前ですが。というか先の党は総裁ご子息が教団をドロップアウトされてYouTuber活動されてる方がインパクト大ですね。

高齢時代にあって任期中に健康寿命が終わる方が出馬するのも投票するのもどーかと思いますが、まぁ健康状態はそれぞれなので横に置いておき、選挙中に最もトークが冴えているのが山本太郎さんだろうと思います。テレビが無い生活なのにネットから山本太郎のキーワードが騒がしくなっている空気がビシバシ伝わってきました。相当なスピードで認知度を上げたはずです。

支持者の声を拾うと山本太郎さんがこれだけ頑張っているのに「テレビに出てこない」ので支援者は激オコだそうですが、それはもう大人の事情で忖度祭りでしょう。つい先日はジャニーズが公取に注意されたとかやってたぐらいですから。そんな状況でも田舎のオジサンにまで騒がしい様子が伝わってきますから下剋上ですね。

 

どの政党も具体的なことは何も書いていない

活字に飢えているせいか、珍しくいろんな政党のチラシも眺めました。今時旅行会社でもチラシをばら撒かない時代にチラシ政治をやってることに違和感ですが、それも横に置き、すこしでも数字でわかりやすく表現してあったのは維新ぐらいでしょうか。それでも書かれていることは「30年後の子どもたち」までのビジョンでした。まぁ移り変わりが激しい時代ですから1世紀ビジョンを描くのは難しいのかもしれませんが。

どのチラシも共通していることは過去、現在、未来の具体的数値は書かないんですね。政治ってそんなもんなのかどーか知りませんが具体的なことは何も分かりません。

でね、確か最初は「れいわ」なんて元号を侮辱したようなカスがどーたらこーたら、みたいな言われようで4月頃は総スカンな印象があった山本太郎さんではありますが、元?芸能人で演者とはいうものの演説にはしっかりとファクトと問題数値をちりばめて「胸熱トーク」と言わしめるあたり、この数年間でかなり努力されたようで、よく知りませんが政治のコツみたいなものを体得されたんじゃないかと察します。なにせ教わった人物が壊し屋ですし、政治には政治のツボがあるんでしょうね。

 

野次馬すら魅了するトーク内容は超シンプル

私が感じる山本太郎さんのトークはアメリカ大統領のトランプさんに似てシンプル系。これをもってバラマキ演説というらしいですが、それでも聴衆側が引き込まれちゃうのは「(弱い立場の方は政治や大企業などのルールなどに)食われてるやん」ということを身をもって実感しているので「そう簡単にバラマキもでけへんと思うけど、やってくれりゃーそれはそれで有難い。太郎ちゃんにワンチャン賭けっか!」みたいなノリもあると思います。そもそも「食われてるやん」なんて関西弁丸出しのイントネーションで全国行脚してウケるというのは、ある程度その人から滲みでる人柄によるところも大きいと思います。どんなに凄いと評判のインフルエンサーでも動画となれば好き嫌いがあり再生回数が伸び悩むのは...以前にメモしてると思います。高倉健さんの「生き方が芝居に出る」みたいなことです。

「YouTube」と書いて「地上波」と読む - en1

「今勝ててる人もいつまで勝てるか分かりませんよ」という極めて当たり前のくだりを聴く聴衆は「明日は我が身だなぁ」と感じる人だらけです。17日付のNHKでは「大手企業の賃金引き上げが6年連続2%超え。経団連によると新たな雇用の確保とともに従業員の定着を図る狙いがあるのではないか?」と言った翌18日付の東京商工リサーチによると「2019年1~6月期の上場企業による人員削減実施企業は17社、募集・応募人数は計8178人、上半期だけで18年年間の4126人(12社)の約2倍」。これで景気が良いと言ってるのですから人間が部品のように使い捨てという太郎さんの演説が効くはずです。

私は上場企業に勤めた経験はありませんが、そこそこ人数の多い会社で働いた経験はありまして、人生は一度ですし、経験値として巨大企業で働く歯車的喜びがあることも事実ですが、そのうち何人が残るか?となると殆ど残りません。つまり「(この国は)壊れていってるやん」というシンプルなキーワードにフムフムとなっちゃいます。

今の状況は聞き慣れない古くて新しいキーワードだと「加速主義」なんだと思いますが、太郎さんはそんな分かりにくいキーワードは使いません。解説が必要な言葉は選ばない。

私も右カラムにちらっと書いてます。「でも時代のスピードが心地悪い。自分のスタイルと合わない感じ。」と。そういう簡単なキーワードのみのトークは言葉の意味把握につまづかないので受け入れやすいですよね。

 

体制に迎合し、臭いものに蓋をする日本人の良心が痛む決めゼリフ

いわゆる団塊Jrは数が多いわけですが、この世代も2極化しております。それは山本太郎さんのような44-5歳ぐらいから48歳ぐらいのアルファブロガーの言葉を追えばその人がどっち系の人かよくわかります。ちなみに私が負組というのは書くに及ばずですが、今更勝敗も左右もどーでもいいタイプです。

でね、今の与党政治の通常運転に乗れた、今も乗っている同世代は山本太郎さんなんてどーでもいいことで、その手の文章からも勝ち組臭が漂うわけです。さらに提灯記事かどうかはいざしらず、今の若者は好景気で与党派だそうですが、その先を生きている氷河期世代の約20年の真空地帯は社会で冷遇されたノンポリがゴロゴロしているはずです。仮に今現在の生活が波に乗っていたとしても、2-30代に少なからず泥水を飲んだ経験があるのが氷河期世代であり、そこに対して正面から再び傷口に塩を塗り込んで目覚めさせる決めゼリフが「あなたがそこにいるというだけで価値があるという社会、あなたが切り捨てられない社会を作るのが政治」です。プロポーズのような、ポエムのような甘い響き。

よく似た言葉で「一億総活躍社会」という理想ではなく「いるだけで価値がある」という現実にフォーカスしたものだから結果一億とは言わないまでも大勢の心を掴んじゃった、みたいな。

 

ついでに書いちゃう山本太郎動画の凄さ

山本太郎さんの動画に感動したという文字がやたらと多いのですが...。

ネット動画が一般的になり、YouTuberという新語も生まれ、目が慣れてしまうとついつい忘れがちなことに「編集マジック」があります。私の仕事経験から言うと、ネットでそこそこ影響力がある方でも10分を越すネット動画は少ないはずです。仮に長尺動画があったとしても、ノーカット動画は皆無で、そのほとんどは間延びした会話をカットし、さも会話がつながっているかのような見せ方。

他方で山本太郎さんは街頭演説会の様子をYouTubeにノーカットでアップしており、1時間を越す長尺動画を編集ナシで飽きずに最後まで見せきる凄さ。台本を覚えて演じるのが仕事(だった)とはいうものの誰でもは真似できないレベルです。

悲壮感が漂う演説に共感するという見方もあるそうですがそんな単純なことではないと思います。なぜなら映像のどこをカットしても1つの独立したコンテンツとして成立します。それだけ社会問題が数字と共に頭にインプットされており、それが頭の中で整理してエンドレスにつなげられる方。もちろん誹謗中傷せずにヤジをも飲み込むのは山本太郎さんの得意技でしょうね。ヤジを聴衆がぶつければぶつけるほど山本太郎さんの思うツボだと思います。

どなた様か「ヒトラー再来」みたいな形容は言い得て妙ですが、そこまで民度が低い国民でもないような気がしますがどうでしょう。

色々な演説動画を拝見したのですが、確かに会話の運び方に特徴があり、社会の現状をメッタ斬りしていますが迎合して生きる有権者を絶対に否定しません。否定はしないけど「山本はこう思う」という太郎フィルターを通して良心をチクチク刺激する話し方はさすがだなぁと思います。たぶんご本人は素(無意識)でされていることだと思いますが、こういう自在なトーク運びはイノベーターに多いですよね。聞いてるとなんとなく自分も出来るような気になっちゃうやつ。

 

ついでに書いちゃう候補者の画力的凄さ

太郎さん自身が「“ややこしい”メンバーでしょ? 国会で見たくなるでしょ?」と言ったらしい面々ですが、確かにインパクトがありすぎです。あくまでも表層的、視覚的情報としてのメモです。

これを映像的に考えていたのですが、少し大げさに書くと冒険者が南極や北極のような場所で道を作りながら前進しているような映像を見ているのと似た感覚に近いと思います。今までの常識や知識では記憶されていない、もし記憶していても奥の方に押し込んで(良くも悪くも)忘れている、どちらかというと非日常の光景を、日常生活の延長にある駅前で演説として見せられると人はその映像に釘付けになります。

 

時代の寵児になるんじゃないかな

どうであれ「自分が世界を変えられると本気で信じる人達こそが本当に世界を変えている」というコピーを地で行く展開です。たぶんずいぶん前にメモしている気がしますが政治の世界も政党で選ぶ時代じゃないですよね。たぶん。

自分たちのことを「放送禁止物体!?」と表現してでも突っ込む感性は最近にはないインパクト。

ということで、このメモをどのカテゴリーにするか悩み「ひとりごと」にしようと思ったのですが「おすすめ動画」に格納。選挙に関係なく人の心を動かそうと思えばこれぐらいの熱量でトークすることが大事、みたいなメモでした。

ちなみに政治につながるネタは書かないオジサンがメモした理由は郵政民営化で大暴れしたご子息の演説をたまたまカーナビテレビで拝見したから。「年金は今よりもっと良くなる」という言葉のチョイスをした時点で周回遅れ確定となりました。嘘つきはドロボーの始まり。

【2019.07.22 追記】

投票率が48.80%だったそうで、「最高は山形の60.74%、最低は徳島の38.59%」。徳島の年齢別人口分布から想像すると「すっぴん徳島」とかゆーとる場合ではないですね。世代別内訳が出ていませんが通常営業だと2-40代の一部がネットでギャーギャー言っても投票には行っていないパターンです。今回は天候に左右された地域もあるとは思いますが。

国民の半分が投票に行かずして与党が政権を握るわけですから与党の行動を容認しとるわけです。そのくせメディアがホピュリズム台頭を記事にすると噛み付くという事なかれ主義の極みです。

ネットから漂ってきた空気をしても結果太郎さんは落選と相成りましたが政治団体から政党に格上げ。この先どーなりますかね。今回の結果を見るとガス抜き担当政党はゼロですからしばらく目が離せませんね。10月以降は増税でヒーヒー言う国民が増えるだけですし、次の衆議院選挙は既存弱小政党が消えるぐらい大荒れになると思うけどどーかな。

というか、開票日に合わせて年金機構の記録媒体紛失ニュースとか疲れるね。

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