老健の冷遇メモ – たぶん団塊の世代は耐えられない

社会福祉
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日本全国の方が悩まれているであろうこと、これから未来に向けて(ほぼ)すべての日本人が悩まれるであろう老健(介護老人保健施設)について自分の体験をメモしておきたいと思います。

今日の内容はネット上に山ほど溢れておりますが、それでも「あぁ、このオヤジも悩んだのか」という大切なことです。

老健は介護を必要とする人が一時的に利用する位置付けですが、一時的とはいっても実際は1年を超えて入居される方も多く、特養(特別養護老人ホーム)への待機場的施設だったりします。

私も色々な老健を下見しました。その多くは「人間性を尊重」と謳われておりますが、実態は首をかしげる施設だらけ。少なくとも私の経験ではすべてが大嘘。最近の日本は金儲けばかりで虚偽や不正が大流行りみたいです。

全員が抱える悩み「排泄」

最初から直球ストレート&ド!ストライクなネタ。トイレ事情です。

とにかく介護では排泄が話題の中心です。最も悩ましいのが夜の大便。これには私も悩まされました。あくまでも私の経験ですが、要介護者の程度は「意識がしっかりしており、認知症は極めて軽度、尿意や便意を自分で察知することができ、普段もショーツに尿もれパッドをつけている程度」ですが、自力では起き上がれないので他人の力が必要な体の要介護度4。介添えがあれば補助を受けての起立や1分程度の立位静止が可能な人。

その要介護度4の利用者に対し「安全のためトイレなどの介助は2名で対応する」という内容でした。とてもありがたい対応ですが問題は夜です。以前もチラリと書きましたが介護職も慢性的な人不足です。

仮にベッドが40床とし、全ての人が歩行困難な入所者の場合、ベッドから起こし、用を足し、再びベッドへ戻すだけで最低1人10分は必要です。実際はもっと必要だと思います。1時間に6人として40人居れば約7時間必要。とても大変なお仕事です。

(100床をワンオペなんて事故レベル)

「仮にすべての人が歩行困難」と書きましたが昨今の老健は要介護度が高い人しか受け入れしないので仮ではなく、そんな施設はゴロゴロ存在しているはずです。

本当に心を痛めるトイレ対応の酷さ

小便であれば尿器での対応も簡単ですが大便の場合…。

 

「介助は2名対応」と書いて「ワンオペ」と理解すべし

私が関わった施設は夜のシフトが一切無く1人で朝まで30床を担当されていました。つまり夜は1人しか配置されないので(「安全のため…介助は2名」)トイレ介助してもらえません。

本人はトイレで排泄を求めてもそれが断られる事態です。

そのため夜はオムツを着けて万一の排泄に備える必要を迫られました。初めから夜間に介助する気はなくオムツへ排泄しろと言い放つ老健ということです。

でもね、要介護者は便意や尿意が察知できなくて排泄するのではなく、事前に察知できてコントロールできるわけです。健常者とまったく一緒。すると次第に便意を我慢するようになり、徐々に体調がおかしくなってきます。そして便秘になります。

便秘になると医者としては心配になるため下剤が処方されます。

やっていることは狂気の沙汰。新たな薬漬け生活開始です。

(この国はかなり壊れはじめてますね)

馬鹿らしいですよね。夜大便がしたいのに介助していただけず、そのしわ寄せで便秘になったらを薬を出す。冗談みたいなホントの話し。病気を療養する場所が病気を生む施設へ早変わり。しかも私が関わったのは医療機関が経営する老健という笑うに笑えない話し。完全にマッチポンプ。

こういうことが常態化すると弄便(ろうべん)を助長しかねないと言われてるそうです。弄便というのは手で大便を触ってあちこちにマーキングしてしまう行為。後の掃除も大変で、そういうブログも沢山見受けられます。

(弄便ってほんとに修羅場ですね。介護の極みだと思います)

つまり要介護度4の利用者に対し「安全のためトイレなどの介助は2名で対応する」と言われて家族が喜んでいては素人です。正確には「夜はワンオペで1名対応できないからオムツに出してね」が正解。さて、この対応にあなた(のご家族)が耐えられるか否か。夜勤シフトがワンオペ施設を利用するとき、夜間の排便介助有無確認は必須です

今は家族全員が健康でそれなりの稼ぎがあり「そうなったら施設に入って過ごすわor入れて過ごさせるわ」なんて緩いことを目論んでいると、想定外の展開に驚かれることでしょう。

今はまだ携帯電話が使いこなせない入所者が多いのですがこれからは携帯電話が使える老人、スマホを使いこなす老人が激増します。そういう家族からの電話を無視する自分の人間性に萎え、自己嫌悪に陥る人が山ほど生まれると思います。

 

まもなく類似情報がネットで山ほど溢れる

今までもこういう問題が山ほどあったと思います。何万件、何百万件と。

紙の時代は情報流通しませんでした。そういうものを使いこなす世代でもなかったので歯を食いしばって辛抱された方々のことを想像すると涙が出ます。でもこれからは正しくジャッジされると思います。ブラック企業がマップ化されると同様のことが起こると思います。多くの方が眺める介護情報サイトは表層的な情報ばかり。介護に建前は邪魔です。生の声で評価されたサイトを作ったら大変な情報量&利益になとる思いますよ。

しかし家族の生活もあり、施設の運営もあり、事はそう簡単に正せる話しでしはありません。

私がお話しさせていただいた主治医は平然と「女性は特に嫌がるんですよね。オムツを」とおっしゃられました。この一言には私もカチンときました。男女両方を差別した言葉ですよね。

男でも排泄コントロール出来る立場であればオムツへ大便の排便は不快です。まぁ還暦越えのお医者さんですから分からないでもないですが…たまたまこの時の録音データを残しておりますが、公開すると炎上させる自信がありますよ。

(しないけどね)

繰り返しになりますが、もしご家族に少しでも時間的余裕があり、正しい意味で人間性を尊重したいと思われるなら入所前に必ず面会時間と夜間の排泄対応確認をおすすめします

例えば仮に「夜は20時や21時まで面会できる」としたら、仕事帰りにチラッと立ち寄って、その時間帯の尿意や便意を家族が労ってあげられますが「17時や18時まで」だと、その後のことは一切隠されてしまい、夜間帯の様子は一切わかりません。

家族を安心して預けられる施設というのはセキュリティーを踏まえた上でスケルトンに中身を見せられる施設だと思います

老後の処遇はかなり悩ましい

そして、イロハのイとして要介護者のボディチェックは必須です。

広い意味で身体に傷が付いていないかの確認は家族の義務だと思います。これは傷付けられているという意味もありますが、施設も完璧ではなく、不特定多数の人が出入りするので感染症などもあります。

洋服で隠れている場所や指の間などの見えにくい場所もくまなくチェックです。

平成31年はまだ他人事の人が多いと思いますが団塊世代に急ブレーキがかかった瞬間からこの問題は一気に大噴火すると思います。

我が親もよく「子供の世話になるぐらいだったら施設で死ぬわ」と言い放つタイプですが、いざ施設に入ったら3日ともたないでしょうね。何人たりとも他人の世話になることなく逝くことはできません。よもや自分がそんなことで苦しもうとは想像だにされていないと思いますが、世の中にはまさかの坂がございます。

健常者には理解しにくいことですが、ボケていないのにオムツに排便や排尿をさせられる屈辱感や排便後の違和感を真面目に想像すると誰だって嫌がることです。たぶん私でも。

赤ちゃんが排便後にオムツ内で違和感を感じると、不快でギャーギャー泣きますが、オムツを替えるとスヤスヤ眠ります。オムツ内への排泄というのはそれだけ不快ということです。

 

お金を払って利用する立場でこの扱いが普通という異常

簡単に書くと、40歳を過ぎて長年に渡り介護保険を払い、払った上での自己負担金額(1-3割)を払っても、夜のトイレ対応は厳しく、冷たく、時に対応が無く「オムツにしろ」と言われているのが平成31年の介護現場の現実です。金を払って利用しているのに闇の深いこと。

高齢者がどんなにお金を持っていて「お前らの世話にはならんよ」なんて意固地になったところで金を払っても冷遇確定です。80歳を超えた認知は4人に1人、85歳を越えると2人に1人。もはや自分がどんな待遇を受けているか理解できない状態です。

先日長野県で建設会社をされていた女性が2億3千万を寄付したニュースが目に入りましたが「自分の老後を気にしていた。不安なく入ることができる施設が出来たら」という願いからだそうです。逆をいえば「不安だらけで入らざるを得ない施設だらけ」と読み取れます。

私も利用者から色々と聞かされました。

ある日は入所者に対してこんな会話があったようです。「今日は私を夜起こさないでくださいね。今夜呼び出しボタンを押したら明日からオムツにしますから」と。夜勤で寝るために出社するスタッフなんてクビでしょ。日本語が理解不能。

別の日には「必ず(便が)出る時だけ呼んでください」と。いやぁ…これね、正直申しまして健常者である私でもお腹の調子が悪くて「トイレしたかったけと出なかったなぁ」なんてことは多々です。それを肢体不自由者に言い放つ神経が理解不能。

この介護士もいずれ蒔いたものを刈り取る年齢で排泄不対応の苦しみが理解できる日がくることでしょう。とても素直に思うこととして、この手の資格は理念や念いが欠落した学習レベルなんでしょうね。

プライドが持てない仕事にプロは生まれない

国のお墨付きを受けた介護事業を謳う医療法人系老健に金を払って利用する立場の者が失礼な対応を受けて泣き寝入りしても社会問題にならないのは利用者が肢体不自由で声を上げられない環境にシメシメと働き方を変えない経営者と従業員がのさばっているからですが、こういう腐った社会がいつまで維持できるのか興味あるところです。

見方によっては介護保険を払ってこの待遇なら保険料を払うことも拒否し、医療保険だけで死ぬという考え方になる人も出てくるんじゃないかと思うぐらいの闇っぷりに感じました。

 

老健のリハビリ時間と外泊許可「6日間」の謎

もはやリハビリが不要な人も高齢で入所されることが多い老健ですが、私の親類は自費であってもリハビリを受けたがっていました。しかし老健のリハビリはルールが決まっており、どの老健も基本は概ね20分/1日×5日です。人材確保が可能な施設ですと1日40分程度まで増やしていただける場合もあるようです。(あくまでも平成時点のメモです)

この「20分/1日×5日」をそれ以上補ってやりたいと思う家族であれば自費リハビリ検討になりますが、自費リハビリを受けようとすると外出許可を得る必要があります。この外出許可も概ね「1ヶ月のうち6日」という施設が殆どです。

それで私も調べまくったのですが、そもそも老健に外泊制限は無いようです。

制限は無いのですが「6日間は外泊日数を算定に組み込んで稼げる日」という解釈が通例となっているため、1 度に連続外泊できるのは7泊8日までだそうです。

まあ考えてみると正常な判断ができる人を外泊させないなんてただの拉致ですよね。

実はこのパターンを私も経験しました。

私の場合は自費リハビリ手配を頼まれて4泊5日の日程調整でしたが、施設の方は躊躇なく「自費でリハビリに行かれる日に老健を退所し、戻ってきた日に再入所となります。ただ再入所日にベッドが空いていればですが」という回答でした。たったの4泊5日ですよ。すごい業界ですね。この場で名称を晒してやりたいほど腹立たしい。

要介護者の立場ではなく自分たちの稼ぎが優先する世界です。もちろんビジネスですから当然なんですが、それにしても世知辛いことです。要介護4の人を相手にこの言葉を放つ神経や人間性を疑っちゃいます。

外泊を必要に応じて多用したい場合、老健を下見する際に予め可能日数を確認しましょう。もし常識が通用しない場合、都道府県の(保険)福祉部などに電話することも出来ます。それでも多くの老健が要介護者の要望を無視し、恥かしげもなく堂々と金儲け優先で「月に6日迄です」と言い放つでしょう。

我慢ならずプッツンな方は大炎上させるもよしです。オジサンはプッツンしなかっただけです。

 

「老健」と「睡眠時無呼吸症候群(CPAP)」と「リフォーム」

老健に入らざるを得ない人は体の機能が不自由になりつつあるからですが、「肢体不自由+α」という人もいらっしゃいます。よくありがちな「+α」は糖尿病などによる透析などです。実態を存じませんが、かなり困っていらっしゃると思います。体の動きが不自由で且つ透析も必要ということですから。

私の体験はCPAPでした。一般的にはシーパップ(CPAP)と呼ばれます。

これとは違うものにレスピレーター(人工呼吸器)があります。似て非なるものですが介護業界での定義は曖昧。「ガラケーとスマホは別物ですがケータイという括りでは一緒」みたいな束ね方。

夜中に無呼吸状態が続くと脳に酸素が届かない時間が増えるので機械で少し補って呼吸を助ける機械のことですが、これは医療行為の範疇なので老健のような介護施設では敬遠されます。私はCPAP対応してくれる老健を探しまくりましたが結論から言えば要介護者の所在地から半径120キロ圏内に対応施設はゼロでした。

(探しまくったといっても50施設程度ですが)

仮に引き受けてもらえたとしても連続入所では無く、「家族が外部のお医者さんなどでCPAPの処方を準備してあれば1ヶ月未満での入退所を繰り返すことができます」ということを平気で説明してくる神経が凄い業界ですね。

ご存知のように老健は介護保険の範疇で運営されますからお薬代も利用料金に含まれますが、そこにCPAP代となると儲けより持ち出しが増え、且つ要介護者の対応に手がかかるので「受け入れNO」ということです。一ヶ月未満の入退所を繰り返す裏技を堂々と説明する介護業界も団塊世代のピークを待たずして完全にオワコンです。

これにはほとほと困りました。老健は要CPAP者を受け入れNOですから。

介護老人保健施設ですからお世話いただく老人は介護が必要なわけです。でも施設は病の無い、医療が不要の老人しか介護したくないわけです。しかし健康な老人に老健は不要です。多かれ少なかれ医療が必要な老人を見て見ぬふりです。

CPAP

こういった「+α」の問題に起因するストレスを緩和する落とし所は居宅介護を早めることですが、リフォームが必要な場合はかなり早めに手をつけた方が良さそうです。例えばトイレスペースを広げる程度でも工事に1週間は必要です。部屋全体をまるごと改装&増築すると1ヶ月は必要です。当然工事前の入念な打ち合わせがありますし、その手前には施工会社選びもあります。つまり3ヶ月ぐらいはあっという間に過ぎ去ります。

私はCPAPで悩みましたが「+α」の問題を抱えそうな場合、早めにリフォームを進め自宅での介護体制を整えるアタマの切り替えも大事です。ちなみに私が関わった要CPAP患者がどうなったか?というと、全てを諦め無呼吸リスクを取って通常の老健利用者になりました。どこも無条件では受け入れ拒否ですから。これからはリフォームも順番待ちになります。工事が1-2ヶ月遅れるのは当たり前。

(資材不足に人手不足ですから)

こういう社会の姿、金儲けに明け暮れる医療施設、人間性を無視した対応などを見ますとね、長生きしたい気持ちになりませんよ。本当に。

 

老健のお風呂と水虫

こういう施設は感染症が流行りだすと家族でも面会中止になります。例えばノロウイルスとかインフルエンザとか。その間も施設がしっかり機能していれば問題ないのですが、こちらからリクエストしないと全く自発的に行動しない態度にげんなりしました。

私も1ヶ月ほど顔を見ることが無かった時期を体験したのですが、面会謝絶解禁後に見舞いに行くと「足が痛痒い」と言い始めました。そのことを先生方に伝えたかを確かめると「あなたは梅干しの食べ過ぎで塩分の取りすぎで足がむくんで痛くなってるだけでしょ」とあしらわれたそうです。この親類は味気ないお粥を食べやすくするため夕食時に1粒程度の梅干しを食べていただけで、その理論だと日本全国民が塩分の取りすぎになります。

あまりにも何度も語りかけてくるので「頭がボケちゃったのかなぁ」と思いながら見舞い時に靴下を脱がせると酷い白癬(水虫)で、シーツをよく見ると黄色い汁が垂れてシミになっておりました。頭はボケておらず、足の痛痒さは真実。

療養する場所である老健で病気をもらう情けなさ

家族は1ヶ月以上面会が禁止されていましたから、その間は施設の方が目配りしてもらわなければ話になりませんが、そのことに最初に気がついたのが私でした。後日その経過報告を受ける際に「理由は分からないのですが…」と会話を濁すわけです。確かに理由は分かりませんが発症したのは施設内ですから施設がカビで汚れているということです。

その数日後、新聞の折り込みにこんなのを見つけました。

日給1万円って…ナメとるでしょーに

休憩時間、仮眠時間設定は全く信じられませんし、週1-2日勤務で週2-4日潰れ、1回で15時間勤務で時給666円。介護の助手とはいってもこの待遇では奴隷と一緒。これで日本が好景気とか仕事があるとか…まもなく後期高齢の皆さま、未来は大変ですぞ。

 

介護職は医療全体で見れば縦社会の底辺

肌で感じたことですが医療行為が近づくほど権力が大きく介護行為が近づくほど権力が皆無。病に伏していた親類が私に「上下白い服の人が看護婦(師)さん、色がついた服の人が介護士さん」と説明してくれました。

以前にも書きましたがもっと権限移譲して風通しよくしないとダメですね。この問題は介護だけではなく全産業に言えますが補助金にたかるハエみたいなゴミ企業を囲う悪習を断たないと労働者の給料があがらず人生の未来が描けません。

(国家衰退もやむなし)

私が感じたヒエラルキーは以下の感じです。調べてませんが感覚的に。

  1. 医者
  2. 看護師
  3. 准看護師
  4. 介護福祉士
  5. 介護助手

老健施設には作業、言語、理学療法のセラピストが特異な立ち位置で存在しております。権限は低いですが患者から見ると神様みたいな方。ほんに権限も給与も上げて欲しい方々。

介護の仕事は体力がいりますから若者が求められるわけです。

(リアルに若肉老食な職場)

でも権限が無いので要望を介護福祉士に伝えても自分の意思で決定できません。

例えばホテルで食事のルームサービスを頼んだら「作ってもらえるかどうか料理人に聞いてきます」みたいな対応が日夜繰り広げられています。ありえないでしょ?しかも「あの件ですが先生からOKが出ました」という返事が1ヶ月後みたいなことが日時用茶飯事。ホテルだったらチェックアウト済で論外なことが常識でまかり通る異常な伏魔殿。

現場もまったく分かっていない。権限がないと奴隷のような介護労働者が増えるばかりです。

介護職もセラピストも給与を上げて権限を持たせないと日本社会全体にとってデメリットだと思います。困ったことの解決を試みるには権限のある人に伝えないといつまでたっても改善されません。つまり医者か看護師さん。介護職は看護職にお伺いして事を進めることから脱皮できない方だらけでした。

(構造的に問題ありすぎ)

 

ついでに書いちゃう自己防衛 SPY CAM (スパイカメラ)

私も親類の会話がすべて正しいなんて思っておりません。

歳をとれば会話はいい加減な内容が増えます。しかし来る日も来る日も同じことを言い出すと「なんだかちょっとおかしいな」と思い始めるわけです。そこで設置したのがカメラ。別にこんなものを使わずとも持っている4Kカメラ据え置きで撮ってもいいぐらいでしたが…。

少し話が逸れますが、歳をとると電話に出ることも遅くなります。

私の親類は電話してもすぐに電話に出ない親戚ではらちが開かないので、鳴ればすぐに電話に出るオジサンに電話してくるようになりました。いつもワンコールで出るのがオジサン。それが1日に40回近く携帯電話が鳴り始め「これはどうも様子がおかしい」と感じたのでカメラ撮影させていただきました。

綺麗に録画し続けてくれたスパイカム

元々本職ですが今はこの程度のカメラで画質はFHDの30フレーム、音声もバッチリ撮れます。

マジで驚きの高性能。しかも人感センサーで自動撮影。素晴らしい。しかも安い!

これで毎日撮影した感想ですが…文春ではないので動画公開しませんが、やはり介護職は総じて給与が安くなるのも無理ないですね。80歳が目前の人生の先輩に向かって「あなた」とか「あんた」呼ばわり。「敬語を使え」というのではなく「親しき中にも礼儀あり」だと思います。

(利用者側が敬語を使う不自然さ)

このカメラにピンとこない人が介護に従事されています。施設に「心をこめて、皆様のお世話をさせて頂いて…」なんて掲げてあっても荒唐無稽。撮ったデータ内容がこれだとね…家族不在だと失礼な会話だらけにびっくりです。

要介助者を扱う動作も勉強になりました。丁寧に扱う方もあれば、殺し文句の「リハビリですから」という言葉を盾に介助の手数を減らす方。

私は動画公開しませんが、そのうちキレる家族がネット公開する日がやってくると思います。それぐらい悩ましいドキュメンタリー映像ですぞ。

 

建物のグランドデザイン欠如

最近の老健は個室が殆どで相部屋というのは減っております。やはり最新の老健は考えて設計されております。ちょっと考えれば分かることなんですが…。

高齢化社会に伴い類似施設はポンポン生まれており築10年と言えば見た目にも新しい建物の部類になりますが、見た目だけで選んではダメ。中身が大事。

いわゆるサービスステーション(スタッフの詰所)と利用者の部屋との距離を可能な限り均一にしてサービスを落とさず且つ効率を上げる設計は当たり前です。どんなに土地が広かろうが狭かろうが、利用者との距離を均一にする努力は当たり前。

ホテルや病院のような作りだとサービスステーションから遠い場所の方は日常生活が不利になります。「木をふんだんに使ったか温もり…暖かさ…」そんな表層的なことは後回し。それらはデザイナーや建築士のセールストーク。最初の段階でサービス業の視点がゼロで「これが当たり前」と思っている施設だらけに驚くばかり。経営者は稼ぎまくってお金を持ってるんだから海外旅行ぐらいしているでしょーに。

ラスベガスのホテルでも増床してエレベーターから遠かったらルームチャージは安くなるのに介護施設では料金が一緒って有り得ん話しでしょ。

客室がオーシャンビュー、オーシャンフロント、マウンテンビューで金額が違うのに老健になったら全部一緒くたで姨捨山みたいなことを感じる施設ではダメなわけです。

(サービスが何たるかに気づいた老健へは自ずと人が集まると思います)

介護に携わる人の思考が「自分たちの都合」になってしまう理由は建物自体がそうなるように設計されているからでしょうね。利用者の都合を想定していれば日々のサービスは自ずと変わり、地域に求められる施設に早変わりします。

病床数の掛け算による年間利益から割った雇用人数による効率と金儲けの計算なんて子供でもできるレベル。

~・~

寝たきり患者世界一の日本ですが、これは構造的に寝たきりを生み出す仕組みでしょうね。

先に触れたように私の親類は要介護4ではあっても可能性を諦めず自分のできる範囲で自費リハビリにも取り組み、できるだけ介助者の手数を減らしたいと思って頑張ろうとしても、施設側が儲からないと判断すれば外泊は許されず、夜の排便はオムツに垂れ流せといわれ、無呼吸症候群は知らんというレベルなんですね。

先に書いた通り社会保険を生涯真面目に支払った世代でもこの冷遇です

寝たきり患者は生まれるべくして生まれております。

最大の問題はあらゆる視点がお客様である要介護者ではないことに尽きます。だからこんな冷遇が平然と起こるわけです。

まぁ、人生の最期もお金で解決というルールを自分たちの世代が作ったわけですから否定しませんが、老いてお金の価値が理解できない年齢にお金が必須の社会に仕立てた諸先輩方のオツムはいただけません。

例えば「もうリハビリしても身体機能回復は難しいし、入れ歯だし、認知もはじまり、排泄コントロールも過活動膀胱で不自由だから、あとは細々と介護してもらいながら余生を過ごそう」という人であれば快適空間かもしれませんが、「体は不自由だけど、臓器は健康だし、頭も聡明でホゲてないし、動く腕や足も残っており、自分の手と口で食事でき、排泄コントロールができる」人にとっては意図的に寝たきり老人を増やす施設という側面を感じます。

どちらの都道府県にお住まいでも気になる施設へ片っ端から連絡して入所先を探すことになりますが施設も人材も足りないわけです。こういうご時世ですから「あ!見つかった!」と思って調べると事件や事故歴による空床だったりします。安心して預けられません。ぼちぼち「サ高住」問題も発火すると思います。私も新築サ高住を幾つか見ましたがサービスの中身に惹かれた施設はゼロです。

これからの後期高齢者はファッションという言葉に踊った世代なので、自分が置かれる環境に驚かれるんじゃないかと思います。想像以上に厳しい時代がやってくると思います。

以上、私の老健体験でした。

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