オードリー・ヘップバーンの言葉「AUDREY」

ありがたい一冊
この記事は約6分で読めます。
スポンサーリンク

ちょっと旅に出ておりますが、株も仮想通貨もダダ下がりだそうですね。そんなことは旅先では微塵も感じずどーでもいいことですが関わっている方にとってはかなりガクブルでしょうね。そんなことはさておき移動中の暇つぶしに買って読んだ本が「オードリー・ヘップバーンの言葉」です。他にも面白そうな本はあったのですが荷物がかさばるのが嫌でこの単行本を手にしました。

で、ヘプバーンは有名人ですし、それなりに予備知識があるので驚くような内容ではないのですが「言葉」という切り口で考えたことが無かったので…ちょっと考えさせられました。本そのものは2時間ほどで読み切ってしまう量ですが、言葉の意味を考えていると5時間ぐらいは楽しませてもらいました。

細かく書くと映画レビューばりのネタばらしですが真面目に「深い」と感じた点のメモです。

とても荒っぽく予備知識を書き出しますと…

  • 意外と顔は四角でエラが張っている方
  • 強烈な戦争体験を持っている
  • (父)親に捨てられた
  • 晩年はユニセフ大使

こんな感じです。ひと頃オードリーにハマっていた時期があって、写真集なども買って眺めていたことがあるぐらい興味を持っていたのですが、最近はすっかり忘れており久しぶりに刺激的内容でした。

中年オジサンに刺激を与えてくれた言葉の多いこと。

欠点以外のものに磨きをかける

これはこの本の序章の言葉ですがしょっぱなから刺激を受けました。「短所を気にせず、長所を伸ばす」と似たことです。作者がこの言葉を最初に持ってきたのには意味があると思いますが…この言葉、ある意味普通のことを言ってますがヘプバーンの言葉となると深さが違いますね。これぞ「何を言うかも大事ですが、誰が言うかはもっと大事」というお手本のような言葉です。

「自分自身に対して100パーセント素直になって、欠点から目をそらさずに正面から向かい合い、欠点以外のものに磨きをかけるのです。」

自分と向き合って良い部分も悪い部分も両方を理解すると伸ばすべき長所がよく見えます。おそらく現代人は自分と向き合うことが人生の後半になることが多く、なかなか自分を理解できずにいるのではないかと思います。例えば戦争中に若くして亡くなった若者の手紙などを見ますと、どう考えても十代で悟には早すぎる文面が幾つも残っています。年齢は関係なく、何かに対して「必死になる状況」がそれを生むのかもしれません。とにかく「自分をよく知る」ことは後の人生に大きな差が出そうです。

 

 きっぱりと決断する人だけが成功するのです

その通りですね。しかしこの言葉は別の意味もあると思います。「ギリギリまで待つ」とか「決断したら振り向かない」とか。間違いないことは「永遠にズルズルはダメ」ということですね。響く言葉です。

 

 何を言ったかだけではなく、どのように言ったかが大切なの

この本は速読できる人だと3分ぐらいで読み終わるんじゃないかと思うぐらい軽く読めますが135ページ以降はいちいち胸に突き刺す言葉が続きました。そのしょっぱなの言葉がこれです。

素晴らしき芯の強さ

「すばらしい歌は歌詞だけではなく曲も大切でしょう。だからあなたが何を言ったかだけではなく、どのように言ったかが大切です。」と書かれていました。

かつて私も多くの経営者のインタビュー動画を撮影編集しまくっていた時期がありますが、その時に心に残っている数少ない経営者の会話に、このヘプバーンの言葉と似たニュアンスがあり、生涯忘れない言葉があります。これは人の心を動かす時に大切な要素で一朝一夕ではありません。

スポーツで言えば「心技体」かもしれませんが、ネットの文字世界はこれを無視して儲かるテクニックで進んでおります。過激な文字使いのブロガーも音声だと「普通じゃん」ということは結構ある話しですが、言動一致とはかけ離れた文面ゆえに二枚舌のように受け止められて当然でしょうね。それが動画となれば尚更のこと。オジサンも人生の宿題です。

 

自分の命のことは自分で決める

少し前に元アナウンサーの方が50代で亡くなられたニュースを見ましたけど、やはり50代で亡くなるというのは早すぎますよね。今の感覚だと60代でも若いですから。

自分の命のことは自分で決める権利があると思います。ずるずると引きのばされるのは望みません。」

今海外でメモしているわけですが、道すがらすれ違う人々はどう思うのか考えながら歩いていました。

日本に居ると日本の常識、日本の平均で考えますから「高度な医療、保健、年金みたいなキーワードがチラつきながら超高齢化社会をどう生き延びるか」を考えがちですが、それは極めて小さな世界のことでヘプバーンの言う通り「自分のことは自分で決める」ことが普通だと思います。先進国視点で見ると「医療=正義」的感覚ですが、地球全体で見れば「病気=死=寿命」でしょうね。延命して苦悶するのは先進国特有の現象だと思います。

私も「あなた、癌で余命〇日ぐらいですよ」なんて言われたら、今のところ「そうですか。悔いなく生きないとダメですね。」で終わると思います。既に日本の若者は長生きすることがリスクであることを悟っている感もあり、人口減少は予想外に加速するのではないかと思いますが、オードリーの言葉で表現すると「自然のありかた」であり、手術や薬は不自然ということでしょうね。

 

メイクする理由、それは「自分以外の人々」のことを知ってもらうため

これは化粧してユニセフ活動するヘプバーンを皮肉ったことに対する返事ですが、ヘプバーンの目的は「困っている人に手を差し伸べる必要性」だけだったので、その目的を達成するために化粧行為がナンセンスと感じられることを計算しての行動だったわけです。

「私はビデオに撮られるのを知っていたので、メイクをしていました。それを虚栄心と呼びたければ、どうぞお好きに。ただ私はカメラ映りがよければ、それだけ子どもたちの役に立つかもしれないと考えたのです。とにかく私は、世界中の人に「自分以外の人々のこと」を考えたてもらいたくて来たのですから、その目的が果たせれば、何と言われてもかまいません。」

なんとも芯の強い、筋の通った、曲がったことが大嫌いな性格だこと。もちろんユニセフ活動に対しては賛否両論ありますが…個人的には「人生でそういうことは大事」ということを学んで育ち、人生のどこかでそういう活動は当然という教育を受け、全部ブロックチェーンで実行したらこんな組織は要らない気もしますが…。

しかしビジネスでも「目的」は時間とともにボケてきます。目的のために目的を設定したがる人も多いですよね。ヘプバーンはある意味「目的のためには手段を択ばず」に見えますが、誰にも迷惑を掛けておらず、ある意味余命いくばくもないことを悟っていた時期に貴重なメイク時間を割いてでもそのようにしたわけで、ここまで自分の価値や役割を理解して行動した人もいないでしょうね。

そして何よりも化粧という行為が「美しい」と感じさせ、それを受け止めてしまうのも人間で…人間って不思議な動物ですね。化粧と疎遠な場所を歩いてますが…。

ということで、日本に戻ったら久しぶりに古い映画でも見たいと思います。

ちなみに私が最もオススメする本は講談社トレジャーズ出版の「the audrey hepburn treasures」という大型写真集的な本。この本1冊でオードリーはより身近な存在になりますよ。

share

コメント