所有者不明の土地。他人事ではないと思いつつ…

ひとりごと
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2017年の時点で九州相当(410万ヘクタール)の面積が所有者不明でにっちもさっちもいかない状態になっています。私も数日に一度は不動産情報を眺めていますが「こんな悠長な取引してる場合だろうか」と思っています。

いまは田舎でも強気な売買をしているので慌てずに眺めているだけですが勝負はここ1-2年で決着がつくんだろうと思います。ここから先は手放したくても買ってくれる人が消える時代ですから半値であろうが手放した者勝ちだと感じます。引き延ばすほど良くない。

2040年には北海道相当(720万ヘクタール)の面積が所有者不明になるそうです。

その頃私は70歳に突入しますから死を待つ身ですし「そりゃーいくらでも余って国庫に戻るわ」なんて思いつつも、そういう土地はとっとと次世代が活用できるうちにばら撒いて有効活用すべきでしょう。機会損失や管理コストが無駄。生産性のない経済損失は止めないと後々が大変です。

そうしないと国全体が急坂を転げ落ちるのは目に見えています。

このまま放ったらかしているとその日本の未来は人が住まない場所が増え続けます。企業が供託金を積んで一定期間利用できる施策も検討中だとか。

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること – en1

総務省のページにも書かれていますが地方税収の4割は固定資産税という賃料収入。これがどんどん減り続けることになります。住民税も事業税も減りますから自治体が機能しなくなるというのは当たり前。もはや税金で賄う発想が終わっています。人が減っても水準維持のために固定資産税を上げたら誰でも「家は借りるもの」という選択肢しか残りません。ますます空家だらけです。

これは都会暮らしだとすれ違う人も多いので全く緊張感が無い話しですが、そういう体裁で進んでいいのか?ということですよね。「国庫に入ったものを競売にかけて売ればいい」という単純な話しではないんですよね。

人が集中するほど不都合なことが解消されず、神奈川に住んで東京で仕事していれば北海道や鹿児島の土地問題なんてどーでもいい話しですよね。都市は経済優先で生きる場所ですが、そういう生き方を望む人が減らない限り問題は大きくなるばかり。さりとて「世の中カネ」というのも当然の話し。

厚労省のニュースにあったようにオジサンのような40代の所得は減り続けているわけです。仮にオジサンが奮起したところで焼け石に水。仮に結婚したとしても子を育てる年齢ではなくなりつつあります。というか、それは限りなく可能性ゼロ。

(70歳手前で20歳の子供など普通に考えてナイって)

地方の田舎のスーパーで買物をしてもレジの女性の名札が「リン(研修中)」とか見ると萎えます。どこもかしこもコストを下げるのに必死。

この少子化を止めるために企業の社会保険料を上げるというニュースが入ると経営者としてもテンションが下がるニュースですよね。人が減ることを止めなかったツケというのはこの先100年ぐらいに渡ってジワジワと首を絞めてきます。

地方消費税の配分を高齢者と子育て世帯の多さで変えるというニュースが入ると東京で働く意味も小さく感じますよね。今までの配分をチャラにして見直さないと地方自治体が消えるスピードを抑えられないところまで事態は切迫しているんだろうと思います。

(iDeCoもNISAも御上がお手上げで「老後は知らんよ」というメッセージ)

投資という発想は大事なんですが、この種銭を貯めるには都会スピードの仕事が大事だったりします。田舎で種銭確保はなかなか難しい。従来概念のお金軸だけで社会を回せない事態。

土地を経済に絡めて発展した土地神話の20世紀モデルは終わりを告げそうです。

「点と点で結ばれる程度の家族や親族」の老老介護も深刻ですが私の世代は「点が消えたら終わり」です。オジサンの祖母は資産価値は無くとも雨露を凌げる家を持ちつつ施設でお世話になっています。2017年時点で既に家では死ねない状態になっているわけです。何のための家なのか?色々と考えさせられるニュースです。

他方でブロックチェーンでコストカットされ、AIで仕事が減るというニュース。既にパラレルワークの兆候は見られ、お金はテジタルになるかもしれない。オジサンのような中年でこれから起こる社会変化を厳しめに理解すると、私はまだ40代ですが見方によっては老後に突入したと捉えている今日この頃です。

というか、空家で出火したら消火する人が足りない時代に、鎮火しても持ち主不在という無駄の連鎖が生じます。人が住んでいなくても放水するのかしかし「あそこは人が住んでないから自然鎮火するまで放っておけ」というわけにもいかないですよね。カリフォルニアのように延焼が続いても困ります。立入禁止にしないと人手と時間を取られるばかり。そういう場所が北海道の大きさだけ生まれるというのですから静かなる有事と言われるわけです。

故郷の土地で帰れない場所も生まれそうです。とても悩ましい問題です。

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