ビデオを撮り始めると薄っすら気になり始めるのが三脚。
知り合ったお客様が私の仕事に触発されて撮った動画をいくつも見ましたが「オモロっ!」と思うのにほとんどが画力の弱い印象を受ける理由のほとんどが「三脚の有無ではないかな?」というのが私の意見。
「三脚を使うと3割ぐらい腕が上がりますよ」と伝えても真似される方は皆無でした。
そこで備忘録もかねて三脚についてメモ。
フォトグラファーではなく(ビデオ)カメラマン用三脚。ヘビー級とは書いたものの私の中での分類であって放送や映画のプロ用三脚から見るとミドル級。
(でも一般の方にとってはヘビー級)
私も三脚を買うときには他の方の情報を読み漁ります。次から次へ新製品が投入されるとおすすめ三脚の旬は半年ですからその都度皆様の知恵を借りますが、どんなに情報を漁っても結論は似たり寄ったりの傾向。
よくテレビ撮影の(報道)カメラマンが使う三脚というのはゴツい印象を受けますが、そのほとんどはリーベック社製。海外ではManfrotto遭遇率が高かったです。
その特徴はグランドスプレッダーという地面にへばり付くY字形の部品。地面との接地面が増えるのでより安定する仕組みですが、そんなゴツい三脚は使ったことがありません。
欠点も交えて色々と書きたくってみます。
10年以上前に愛用した「Sony VCT-950RM」
かつてはソニーもゴツい(セミ)プロユース三脚を出していました。
この三脚は会社から支給されていたもので自分で選んだわけではありませんが良い三脚。パン棒にリモコンが付いてるやつですね。ソニー製ビデオカメラとの相性は抜群ですが使ったのは1-2回。
コードが邪魔でパン棒にぐるぐる巻きにして出番なしです。しっかりした作りでおすすめしますが既に廃盤ですからヤフオクなどで見つけるしかないですが…美品であれば買いでしょう。
そこそこ荒っぽい操作をしていてもパン棒のリモコン部分が壊れることはありませんでした。よほどのアクシデントがなければ断線も無く捨てるまで機能していました。
欠点は三脚とセンターポール(エレベーター)をつなくY字ステー(スプレッダー)。アルミ素材だったと思います。三脚を何度も出したり仕舞ったりするとステーが金属疲労でポキッと逝きます。
(1本でも折れるととても使いにくい)
それでも5-6年は使っていたと思います。ちなみに「VCT-1170RM」というのも使ったことがあるのですがこれもしっかりした作りで使いやすいものでした。
これもスプレッダー劣化が少なければおすすめの三脚です。

Sony VCT-950RM
案外使いにくくて嫌いだった「Libec LS-38DV」
先のソニーが機能不全に陥って導入したリーベックですが私は苦手でした。完全なる好き嫌いですが安定が悪い印象。
三脚としては機能的で値段もリーズナブルな種類でいかにもプロっぽい仕様ですが使いにくければ出番少なし。ただね、そうは言ってもプロメーカー。三脚に付いているスプレッダーは機能的。これが先のソニーに付いていれば…。
どうして嫌いかというと私のカメラ操作の癖が原因。
撮影時に流れをイメージしていてもその通りにならないことがあります。焦ってパーンするとこの程度のスプレッダーではブレます。
もう一度書きます。この程度のスプレッダーではグラグラっとブレます。
グランドスプレッダーが欲しいところです。動きの少ない撮影では優秀ですが雲台をブンブン振り回す時は相性が悪かったとしか言いようがない。

Libec LS-38DV
操作は面倒でも実益で選んだ「slik ザ プロフェッショナル」
ビデオ三脚でslikを選ぶ時点でマイナー選択だと思いますがあまりにもリーベックとの相性が悪かったので購入。とにかくどっしりとした安定性を求めてのことです。その堂々たる安定性は◎。
スプレッダーは無くとも基本がしっかりしていて安心の三脚でした。というよりもしっかりしすぎて駆動部の動きが固いぐらいです。
当然ながらの欠点は重いこと。
私が選ぶ基準は「5kg以上8kg以下」ぐらいが多いのですが、そもそも5kgを持ち歩くのはしんどい話しです。三脚以外にカメラを持ち歩くと10kg超えは当たり前。
趣味でこんな三脚は要らないと思いますが仕事であればこれぐらいどっしりしたものは必要だと思います。それにしても普通は選ばないタイプの三脚ですかね?アマゾンでも現役みたいですね。

slik ザ プロフェッショナル
めちゃくちゃ使いまくった「VANGUARD Auctus Plus 283AT」
リーズナブルでも安定していることとマルチカム撮影も増えた時期に投入したのがヴァンガード。
最初は「283CT」を使っていました。雲台は別売りで「PH-123V」。操作性もスムーズ。
その後継三脚が「283AT」です。違いはダイヤル式のエレベータークランクの有無。当然付いている方が便利です。
これはもう性格や相性だと思いますがどっしり系が好きなんですね。
一度設置したらビタッっと動かない安定感が三脚の命。格好よりも機能性。重さも3-4kgぐらいだったと思います。今でも3万ぐらいで売っているようです。
(結構良いと思いですよ)
一度だけですが海水にズボッと突っ込んで水平線のようなカットを撮った記憶もあります。これぐらいしっかりしていると無茶苦茶できます。

VANGUARD Auctus Plus 283AT
お気付きの通り脚をロックする部分がリーベック以外は(くるくる回す)ナット式。
これがかなり面倒臭い。レバー式が断然楽ですがこれも私の好み。あくまで仕事としてですが頻繁に三脚を使い倒すとレバーがポキっと折れたことが何度もあります。
(ここには書かないけど大型三脚も3個ぐらいは潰した)
ある程度頑丈な三脚だと使用期間も数年に渡りますが気がつけば廃盤というのも多々。改めて部品探しや修理も面倒という経験から大きめの三脚はナット式派です。
やはり三脚は自分の目で見て触って選ぶしかありません。重量が4-5kgあると安定しますが重い。カーボンは値が張る。カメラ耐荷重の問題もある。
それでも三脚は安定性が一番大事だと思っています。
他の要素は全て後回し。そうは言っても使ってきたものは仕事としては入門編ばかりですね。でも最初に書いた通り三脚を使うと3割ぐらい腕が上がると思います。

リーズナブルで機能的であればVANGUARDはおすすめです。型落ちでも機能は一緒なのでかなりお買得な三脚だと思います。楽天市場のバンガードワールドでは時々お得なアウトレット商品が載ることもあります。経費面でも助けられた三脚です。


以上、私が仕事で使っていた三脚のメモでした。
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