未来の年表 人口減少日本でこれから起きること

ありがたい一冊
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なんでこの本を買ったかというと「3,000年に日本の人口2,000人」に釣られて。

(もちろん机上の空論)

日々いろいろなことを考えますがここ数年は(書き残しているように)「問題の根本は人口減少」と感じており、実にインパクトのある「掴みはOK」みたいな言葉に釣られました。

読んだ感想はというと、別段びっくりすることは書かれてない印象。殆ど全て想像の範囲内。ネット検索で殆ど掴めます。そのまとめ本といった印象。

(「10の提言」は「よく描いた」と感じます。何もやらないより何かやった方がいい)

日本の人口ピークは私のような団塊Jr世代です。この本では「2042年問題」と書かれています。日本が80年代にバブルで沸いたことが「それどこの国の話し?」と言われるほど過疎るというのはにわかに信じがたいことですが数字は嘘をつかない。減少は確実にやってきます。遅いか早いかだけの話し。

個人的なるほどポイントは5つ。

2015年 住民基本台帳人口移動報告

女性高齢者の都道府県を超えた移動率が85歳以上で増える傾向が見られるそう。

いま還暦以上の方を見て「お若いですね」という会話はよくある話し。私の感覚は「この世代はananで刺激を受けファッション変化を自己演出できる世代」と見ています。事実昔と違って還暦を過ぎても若い印象を受けますが見た目と中身は別の話し。今は85歳で移動しても支えられますが人口減少スピードを織り込むと遅くとも70歳までには移動を終える必要性を感じました。終の住処。

自分の健康寿命を自分なりに意識する必要があると思います。

自分は健康でもいざという時に支えてくれる人が年々減る中で移動は体力的に厳しいものです。その頃には今と違って空き家だらけなのにポツンと一人暮らしを耐えられるかどうか。向こう三軒両隣全て空き家が当たり前の時代。未来はお金の問題ではなくなります。人が足りないのですから。

インフラの老朽化

先日近所の貯水池に行きました。拳大ほどの落石だらけの舗装道路。カタチあるもの壊れるのは当たり前ですが、修理する人も減る時代です。

現時点で既に需要の少ない車種ですがセダンとかスポーツとか言ってる場合ではない時代かもしれないですね。極めてエコでスマートか4WD(RV系)か。車の世界も人間同様に中間層は消えると思います。

全国の水道管を今から全部更新するのに130年かかるそうで…井戸のある戸建物件が見直されるような大正・昭和初期さながらの時代が復活?とか妄想していました。でも半分は笑えませんよ。蛇口をひねっても水が出てこない可能性って「そんなバカな」みたいな話しが起こる可能性は高いはずです。水道(管)でこれですから原発などはさっぱり計算不可能です。

2022年は「ひとり暮らし元年」

恐ろしいことにたった5年先の話し。とうとう団塊の世代が75歳になる年。私の肌感覚だと75歳だから突如社会がどうこう騒ぐようなことになるかといえばそうではないような気がします。それよりも75歳から80歳に至る過程でどんなに医療が発達しても体力は衰え、気力は途切れ、記憶力が長続きせず、生活はコンパクトになる方が多い。昨今の高齢者ドライバーの事です。

今から5年後は「最近渋滞減ったね」になります。もし渋滞が減っていなければ高齢者ドライバーが運転していることになります。正月に孫の顔を見る家族は少なく、スーパーに並ぶ正月用の惣菜やおせち料理だって変化しているはず。その頃から空き家問題も身近になり始める。

面白い表現だったのが「社会保障制度はひとり暮らしの激増を織り込んでいない」という点。そもそもの設計は「家族や地域」になっているのに「元々独身」「死別独身」「離婚独身」の増加は計算外。初めから設計のやり直しが必要なのにまだ「家族」とか言ってます。もちろん家族は大事ですが実際の数字は見るも無残。

地域間格差

どこに行っても似たような街並みというのは終わりそうです。私も地方移動に際し色々と調べ上げました。どの都道府県でも必ず消滅する町や村が出てきます。田舎暮らしの憧れではなく現実を見据えて。この本によると人口が20万以下になると様々なビジネスが成り立たない故に出店もなく撤退が増えると書かれていました。当たり前です。資本主義ですから。

リニア新幹線が開通する頃に東海道・山陽新幹線のこだま停車駅が今と同じように機能しているとは思えませんし、ひかりですら1時間に1本しか止まらない駅に降格?する駅も?都市部とつながるインフラ維持は今から相当な努力が必要でしょうね。当たり前です。資本主義ですから。

ファン人口

最も共感したのがこの部分でした。策を練って実行してもお金が流通しなければ器用貧乏。人が減るのですから買う人も減り、身入りも減る中でファンを増やすには古ければ古いものこそ残すような一見ありえない戦略も必要でしょうね。橋や道路を作れば便利になっても人が来なくなれば今より貧しくなる可能性があります。住む人が減っても来る人は減らさない街づくり。人が増えるときとは全く異なる視点で最大の魅力を壊さない視点は大切な気がします。

〜・〜・〜

おそらく2025年頃から多くの人が自分の問題として社会保障の限界を感じると共に死に方が問われるような気がします。実際はもう少し早いですかね。

二者択一。徹底して健康生活に留意し医療費を減らし細く長く暮らすか、癌を患えば覚悟を決め太く短く暮らすか。程度によって病気は治せるかもしれませんが死は確実に来ます。

社会がコンパクト化すると1人でも人生を楽しむ思考がないと長生きしても楽しくないでしょうね。街の広告スペース、コンビニの棚、テレビ…なにを見ても「老LIFE」が溢れる時代。

賢い若者は、その年齢に合った外国へ飛び出してもおかしくないと思います。というか、国を出ないと息が詰まるかもしれません。

(新築マンションを買って喜ぶ時代は既に終わったということでしょう)

渦中の私が感じる「2042年問題」は少し前倒しされると感じます。2040年初頭というより2035年頃には表面化している気がします。その年(齢)に至る健康的食生活を送れているとは到底思えない経験者。

別の視点では何かを残す相手が誰も居ない時代に突入するので日本を全てをゼロリセットできるチャンスも言えます。

子供の貧困率が「7人に1人」ですから今の子供たちが社会に出て老人を介護してくれると思う方が勘違い甚だしいというもの。たぶん「介護問題」というのは介護してくれる世代が続けば問題ですが続かないのですから問題外のような気がします。助け合いは必要ですが、どう生きて、どう死ぬかの問題。続く世代の負担を減らすことはできなくても負担を補えるアイデアや価値を小さくても何か残したいと模索する日々です。

でも…こういう本を気軽に手にできるのはよいことですね。知らずに直面するか、知った上で直面するか。後者の方がストレスも減り対処もスムーズ。この先10年の社会変化は凄まじいスピード感ですね。言葉は知っていても心構えはノーガードの方におすすめの一冊だと思います。

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