ナンダ コレハ!自分の中に「毒」を持て

ありがたい一冊
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東京圏高齢化危機回避戦略なる書類を眺めておりました。5年先は祭りごとで盛り上がるであろう国に住んでいますが、その先は暗い状況が待ち構えています。

倍速経済成長の時期の蓄えを20年かけて減らしながらいよいよ倍速衰退の時期まであと少しです。登りはキツイですが降りは転げ落ちます。

「医療・介護ともに受け入れ能力のある都市」という地図を眺めながら、少し広い括りでコンパクトシティ化される地域を妄想していました。荒っぽく言えば「ここに居ると暖かい布団の上で死ぬことはできません」と言ってくれているわけです。

老い先が見え始め、空気を読みきった40代が地図上の地域に関係なくとも残りの人生をどの場所で過ごすかを考えると5年先の祭りごとなどは無視して緩やかな人口移動が始まって当然の時期と感じます。都心部から電車に何時間も揺られて高度医療を受けるために移動するか?

「賃貸 or 持ち家、どっち得?」といった広告を見ると、若い時に流動性を止めてしまうとリスクが増すな、とか思う今日この頃です。

さてと…

5月はもがき苦しむ月だった気がします。

表層的には仕事をしながら未来のことが頭をよぎります。10~20年先の人口ピラミッドはいびつなカタチ。「50年先を見て」と言って政界を引退する方の言葉は切実だと思うのです。まだ刹那な方々が多数を占めるようです。

今70代の方々は何もない状況から何かを生み出した世代だと思うのです。今還暦を過ぎたあたりの方々は雑誌ananを眺めて社会の変化を感じた方々だと思うのです。今50代の方々は「もはや戦後ではない」という言葉を大阪万博で体感され、日本の未来はスゴイと感じた方々だと思うのです。

しかし、出る杭は打たれるという雰囲気は未だ根強いとも思います。


今でも異彩を放つ姿


この鬱積した心を晴らすためにわざわざ万博公園に行きました。

モノレールには何度か乗っており、太陽の塔は誰でも知っているモニュメントですが生まれてこのかた行ったことはありませんでした。この辺りを20年近くウロウロしておりますが遠目に眺めていただけです。

(そもそも万博の時に私は生まれてないし)

太陽の塔を目の前にして色々なことを感じておりました。

偉大と言われた丹下健三氏のフレームは消え、エポックメーカーによりけったいな生命を感じさせる造形物だけが残っております。40年以上経過しても異彩を放つ姿は、いかに日本人の歩みが「出る杭」を叩き潰し続けてきたかを物語っているような気がしていました。

あらゆる意味で「ナンダコレハ」を感じていました。自然に口をついて「ナンダコリャ?」となりますから時代を超えて製作者の思うツボです。

(この方の著書は実にオモシロイ)

もはや芸術を超越した人間性、生き方、オリジナリティは群を抜いており、時代が追いついてきた感があります。絶対にブレない。ブレそうになっても正確に元の位置に戻す。この本は何かに行き詰まると手にする不思議なオススメの本です。

戦前を知り、海外を知り、戦争を知り、芸術を知り、なによりも人間を知っている先達が分かりやすい言葉で「出る杭のススメ」を残しくれたことは有難いことです。

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